種類 | 果菜類 |
科目 | ウリ科 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
収穫量 | ★☆☆ |
管理の手間量 | ★★☆ |
植える時期 | 4月下旬~6月中旬 |
収穫時期 | 6月中旬~9月中旬 |
連作障害 | 2~3年 |
初心者おすすめ | 種 |
プランター栽培 | △ |
日当たり | 日なた |
支柱 | × |
マルチ | ◎ |
ベットの高さ(畝高) | 10cm |
1列植え | 100~200㎝(ベット幅) 50㎝(株間:縦) ー(条間:横) |
2列植え | ー |
PH | 5.5~6.5 |
堆肥 | 2kg/㎡ |
石灰 | 100g/㎡ |
最初の肥料(元肥) | 化成肥料 80g/㎡ |
追加の肥料(追肥) | 化成肥料 50g/㎡(1回) |
コンパニオンプランツ | インゲン、とうもろこし等 |
植える時期・収穫時期は関東など温暖地の目安です。
北海道・沖縄など寒冷地や暖地の詳細はスケジュールの箇所で紹介しています。
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もくじ
年間スケジュール
植え付け時期と収穫時期
エリア | 種まき | 苗植え | 収穫 |
---|---|---|---|
寒冷地 | 4月中旬~6月上旬 | 5月下旬~7月上旬 | 7月下旬~10月中旬 |
温暖地 | 3月下旬~5月中旬 | 4月下旬~6月上旬 | 6月下旬~9月中旬 |
暖地 | 3月上旬~4月下旬 | 4月上旬~5月中旬 | 6月中旬~9月上旬 |
植え付け時期のポイント
- 最低気温8℃以上の4月下旬
- 発芽地温・・・25~30℃
カボチャは、果菜類の中でも低温に耐えることができ、定植時期の目安は最低気温8~10℃で定植します。
一般地の露地栽培では4月下旬ごろ、トンネル栽培では4月上中旬ごろと果菜類の中では早く植える事が出来ます。
連作障害
連作障害のポイント
- 連作障害は無いが他のウリ科の野菜は気を付ける
かぼちゃは、ウリ科の野菜の中でも比較的連作障害が少ない野菜です。
キュウリやスイカなどは連作障害が発生しやすいですが、かぼちゃは連作障害が起こりにくいため、前年にかぼちゃを植えていた場合でも、それほど気にする必要はありません。
ただし、同じウリ科(ズッキーニ・かぼちゃ以外)の他の野菜には連作障害が発生する可能性が高いため、キュウリなどを植える際は、3年程度の間隔を空けることをおすすめします。
畑の準備(土づくり)
投入する資材 | 施肥量 |
---|---|
堆肥 | 2kg/㎡ |
石灰 | 100g/㎡ |
肥料 | 80g/㎡ |
土づくりのポイント
- 植え付けから逆算して3週間前に堆肥、2週間前に石灰、1週間前に肥料を入れる
堆肥・石灰を撒いたあと1週間経過したら元肥(もとごえ)を1㎡あたり化成肥料80g撒きます。
畝づくり
畝づくりのポイント
- 表面を平らにする
- 地面から10センチ位の高さに
土の準備をした畑に、その見た目からベットと呼ばれる事もありますが、畝(うね)を作りましょう。
水はけが良くなるなどのメリットがあり、かぼちゃの畝は10センチ位の高さがあれば十分です。
マルチ
マルチのポイント
- 黒マルチがおすすめ
- 手に入るなら敷き藁もおすすめ
敷き藁(わら)の方が黒マルチより乾燥に強い・温度管理が一定に保たれるなどのメリットがありますが手に入りにくいです。
敷き藁だとかぼちゃの弦が藁に絡まって風などに強くなるというメリットがあります。
家庭菜園で敷き藁を手に入れるのは難しいので、普通の黒マルチでも大丈夫です。
植え付け
苗・タネの選び方
苗選びのポイント
- 病気になったり枯れていないもの
- 本葉が4~5枚でしっかりしているもの
ホームセンターで買う苗も苗によって状況が違うので綺麗で健康な苗を選びましょう。
本葉が4~5枚で、葉がしっかりしているものを選びましょう。
また、双葉の形が左右対称になっていると育ちが良いです。
品種の紹介
かぼちゃの品種
- 西洋かぼちゃ・・・みやこ(黒皮栗かぼちゃ)、えびす(黒皮栗かぼちゃ)コリンキー、ロロン など
- 日本かぼちゃ・・・菊かぼちゃ、バターナッツ など
- ミニカボチャ・・・坊ちゃん(西洋種)、小菊(日本種)など
- ペポかぼちゃ・・・プッチーニ(観賞用)など
品種選びのポイント
- スーパーで買えるのは「西洋種(黒皮栗かぼちゃ)」
- 家庭菜園では坊ちゃん「ミニ品種」がおすすめ
一般的にスーパーで出回っているのは『西洋かぼちゃ』で、ホクホクした食感が特徴です。
一方、『日本かぼちゃ』は甘さが控えめで、ねっとりとした食感が特徴で、煮物や和食に向いています。
かぼちゃは、大きな品種の場合、1株から1~3個しか収穫できないのが一般的です。そのため、家庭菜園ではミニかぼちゃがおすすめです。
ミニかぼちゃは長期保存ができ、小ぶりなので料理にも使いやすく、1株からたくさん収穫できる点が魅力です。
大きいカボチャって使い切りにくいので、小ぶりな手のひらサイズのかぼちゃなら料理で使い切るのに非常に便利です。
種蒔き・植え付け
植え方 | ベット幅(畝幅) | 株間(縦距離) | 条間(横距離) |
---|---|---|---|
1列(1条) | 100~200㎝ | 50㎝ | ー |
2列(2条) | ー | ー | ー |
植え付けのポイント
- 苗と苗は50㎝離して植える
- 2列で植えるような野菜ではない
苗の植え付けは風の無い晴れた日の午前中(10時位まで)に行います。植え付け時の苗は弱いので、風があると苗が弱ってしまいます。
かぼちゃは栽培スペースをとても必要とする野菜なので家庭菜園では2列で植える事はないでしょう。
コンパニオンプランツ
コンパニオンプランツのポイント
- 成育促進・・・トウモロコシ、豆類など
- 病害虫予防・・・ネギなど
かぼちゃと混植するのにおすすめの野菜は「トウモロコシ」と「豆」です。これは、古代マヤ文明の時代から行われていた「三姉妹(スリーシスターズ)農法」と呼ばれる栽培方法で、ネイティブアメリカンから伝わる技術です。
まず、トウモロコシとかぼちゃを種から植えます。トウモロコシの葉が5枚ほどになったタイミングで、その株元に「つるありインゲン」などを植え付けます。豆類は「つるあり」品種がおすすめ。
インゲンはトウモロコシの茎を支柱として利用し、根粒菌によって周囲の作物に窒素を供給し成長を促進します。また、かぼちゃは葉を広げることで土の乾燥を防ぎます。
支柱立て
支柱のポイント
- 高さ2.1m・2.4mを選ぶ
- 太さ16㎜、24㎜を選ぶ
- キュウリ用のネットも必要
かぼちゃには、支柱を立てて空中で栽培する『立体栽培』という方法があります。
地面で栽培することも可能ですが、広いスペースを必要とするかぼちゃを空中で育てることで、『栽培面積を節約できる』『実が空中に成るため玉直しが不要になる』といったメリットがあります。
地面で栽培する場合は、『玉直し』として実を裏返すことで、きれいなかぼちゃを収穫できます。
立体栽培では、『アーチ支柱』と『ネット』を使うのが最も簡単な方法です。ただし、アーチ支柱がない家庭も多いと思います。その場合は、『やぐら式』や『合掌造り』で支柱を組み、ネットを設置する方法がおすすめです。
支柱の太さはしっかりとしたものが必要で、きゅうりやトマトを支える支柱と同程度の太さと長さが理想です。
3本仕立て栽培の手順
3本仕立て栽培のメリット
- 最も収穫数が多くなる
3本仕立て栽培のデメリット
- 西洋系の品種は2本仕立ての方が品質が良くなる
- 1つ1つの果実が少し小さめになる傾向に
かぼちゃはたくさんの仕立て方がありますが、私が家庭菜園で最もおすすめするのは「3本仕立て栽培」です。
収穫数が最も多いのは3本仕立てで、品質が向上するのは2本仕立てですが、3本仕立てでも十分に美味しいです。収穫量を重視する場合は、3本仕立てがおすすめです。
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日々のメンテナンス
追肥【追加の肥料】
追肥のポイント
- 化成肥料50g/㎡(1回)
- 実がこぶしサイズ位になったタイミング
- 株元から40㎝離れた所に散布
1つ目の果実がこぶし程のサイズになったタイミングで追肥をします。
株元から少し離れた位置に肥料をまき、軽く土に混ぜ込みます。
株元に直接肥料を置くと、根が肥料焼けを起こす可能性があるので注意が必要です。
整枝・摘心・摘葉
親つる
- 株の葉が5枚になったら先っぽをカット(摘心)
- 一番最初の脇芽だけカット、3本の脇芽を伸ばす
子つる
- 脇芽は全部カット
- 1番花/2番花はカット
- 3つ目の花から人工授粉で着果(10~13節目位)
かぼちゃは、親つるの成長を止め、脇芽(子つる)を3本伸ばして、子つるについた実を収穫する方法で栽培します。
まず、親つるに5枚の葉が出たら摘心して成長を止めます。
成長を止めると脇芽が伸び始めるので、その中から3本だけを選んで育てます。脇芽についた1番目と2番目の花は収穫せず、3番目以降の花を人工授粉で着果させます。
『玉直し』という方法で、果実全体に日光を当てて全体を緑色にすることができます。果実が成長して大きくなった段階で、果実をプラスチックの台に乗せると、実が腐らず、全体に光が当たってきれいなかぼちゃを収穫できます。
人工授粉
人工授粉のポイント
- 午前中の10時までの早朝に行う
- 雄花(おばな)の花びらを取って雌花(めばな)につける
人工授粉のさせ方の違い
- 筆/綿棒・・・1つの雄花(おばな)から何回も受粉させられる
- 雄花自体をちぎる・・・1回しか受粉に使えない
- トマトトーン・・・かぼちゃは使えない
収穫量を増やしたい場合は、人工授粉が必要です。
虫が多い場所であれば自然に受粉されることもありますが、基本的にかぼちゃは人工授粉が必要と考えましょう。
かぼちゃには雄花(おばな)と雌花(めばな)があります。一般的な人工授粉の方法としては、雄花を摘み、花びらを外して、雌花の先端に直接受粉させます。受粉後、3~4日ほどで雌花の根元にある実が肥大し始めます。
株がまだ小さい最初の段階では、「雄花がなくて摘めない!」「雌花に受粉できない!」ということが起こりがちです。しかし、株が成長すれば雄花もたくさん咲くようになるので、心配はいりません。
「トマトトーン」という人工授粉をさせる薬剤がありますが、かぼちゃは適用野菜ではないので使えませんので注意してください。
水やり
水やりのポイント
- 水やりは基本的には不要
植え付け初期に根が張って成長するまでは土がカラカラの場合は水を与えますが、それ以外は乾燥気味に育てるので水は不要です。
気温が高い時間帯に水をやると、水温が上がり苗が傷んでしまう原因になるため、避け朝夕の時間に与えましょう。
収穫
収穫のポイント
- 西洋品種・・・開花後40日~45日
- 日本品種・・・開花後30~35日
- ハサミでカットして収穫
収穫期が近くなるとヘタの部分がコルク化してきます。
収穫後は風通しの良い日陰で常温で保存して追熟させます。
品種によりますが、2週間~1ヶ月は追熟させてから食べましょう。
風通しの良い日陰で10日前後置くことで長期保存が可能になる「キュアリング」を行います。キュアリングとは、果梗部の切り口を乾かして菌の侵入を防ぎ、果実の腐敗を防止する作業です。
「栗みやこ」「あずまえびす」などは貯蔵出来ないので1ヶ月以内に食べます。
病害虫
病害虫のポイント
- うどん粉病・べと病などが注意
- アブラムシ・ウリハムシなどに注意
病気
うどん粉病
うどんこ病はかぼちゃ栽培では必ずと言っても発生するくらい多発する病気です。
葉の表面に白い粉を振ったような状態になり、カビが発生している状況です。
梅雨時など過湿により発生する事が多いですが、あまり被害が広がると農薬で対策するしか方法が無くなります。
発生が少ないうちは重曹スプレーなど自然農薬で対処できる事もあるので早めの対策が吉です。有機栽培で使えるカリグリーンがおすすめです。
べと病
べと病も過湿状態で発生しやすく、葉脈に囲まれた黄色い斑紋が発生します。
次第に葉が下の方から枯れていき、発生してしまうと農薬で治せる病気では無いので予防が大切です。
肥料を適切に与える・土からの水の跳ね返りを予防する(マルチ・敷き藁など)・予防農薬を撒くなどです。予防農薬では有機栽培で使えるサンボルドーがおすすめです。
害虫
アアブラムシ
アブラムシは葉に穴をあけたりしませんが葉から汁を吸う事で葉全体が委縮します。
アブラムシがモザイク病運んできてモザイク病になるので注意です。被害が大きい場合はその葉を取り除く事も必要ですが防除出来ます。
家庭菜園では自然農薬のスプレーを作ったり、歯ブラシで除去する方法もあります。
ウリハムシ
ウリハムシはかぼちゃ栽培で被害がでる事が多いですが、株が成長してからの被害はそこまで深刻ではありません。
苗が小さい時に被害にあうとその後の生育が妨げられ収穫量に大きく影響を及ぼします。
苗の植え付けの際に行燈(あんどん)をする事でウリハムシの飛来を防ぐ事が出来るのでオススメ。
質問コーナー
かぼちゃ栽培で初心者が疑問に思う質問をまとめています。
かぼちゃ栽培の疑問・質問一覧
かぼちゃ栽培の質問
質問クリックで該当箇所にジャンプ!
かぼちゃの仕立て方や剪定の仕方を教えてください。
かぼちゃは1株からどれくらい収穫できますか?
かぼちゃの皮の色が綺麗に緑になりません。なぜですか?
大きいカボチャと小さいカボチャの違いは何ですか?
かぼちゃは地面で栽培しますか?空中栽培できますか?
かぼちゃに支柱は必要ですか?
かぼちゃの実がならない、大きくなりません。なぜですか?
かぼちゃの葉が枯れてしまいます。なぜですか?
かぼちゃに追肥は必要ですか?
冷凍・冷蔵保存方法
冷凍・保存のポイント
- 常温保存・・・1玉のまま常温で保存
- 冷凍保存・・・カットしてラップで小分けしてジップロック
かぼちゃは、風通しの良い冷暗所で常温保存できます。直射日光が当たる場所や湿気の多い場所は避けてください。1玉であれば2~3ヶ月程度保存可能です。
切ったかぼちゃは、ラップで包むか密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。種から腐るので種は外しておきましょう。
冷凍はスライス・角切りなど用途に合わせてカットして、ラップで小分けにしてジップロックに入れて冷凍します。約2週間は保存が可能で、解凍するときは冷凍のまま使いましょう。
大量消費レシピ
おいしいレシピ
- かぼちゃのポタージュ
- かぼちゃのグラタン
かぼちゃのポタージュには、「バターナッツ」がおすすめの品種です。皮をむいたかぼちゃを玉ねぎと炒め、水を加えて煮込みます。煮えたら、ブレンダーやミキサーで混ぜると、滑らかな口当たりになります。さらに、生クリームを加えるとよりクリーミーな仕上がりになります。
また、かぼちゃを一口大に切り、鶏肉や玉ねぎと一緒に炒めた後、ホワイトソースを加えます。最後にチーズをのせてオーブンで焼けば、簡単にグラタンが完成します。