種類 | 果菜類 |
科目 | ナス科 |
栽培難易度 | |
収穫量 | |
管理の手間量 | |
植える時期 | 5月上旬~6月下旬 |
収穫時期 | 6月中旬~10月中旬 |
連作障害 | あり(3~4年) |
初心者おすすめ | 苗 |
プランター栽培 | ○ |
日当たり | 日なた |
支柱 | ○ |
マルチ | ◎ |
ベット高さ(畝高) | 15~20cm |
1列植え | 60~70㎝(ベット幅) 40㎝(株間:縦) なし(条間:横) |
2列植え | 90~100㎝(ベット幅) 40㎝(株間:縦) 60㎝(条間:横) |
pH | 6.0-6.5 |
堆肥 | 2~3㎏/㎡ |
石灰 | 150g/㎡ |
最初の肥料(元肥) | 130g/㎡(化成肥料) |
追加の肥料(追肥) | 25g/㎡(化成肥料) ※10日毎 |
コンパニオンプランツ | バジル、落花生等 |
植える時期・収穫時期は関東など温暖地の目安です。
北海道・沖縄など寒冷地や暖地の詳細はスケジュールの箇所で紹介しています。
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年間スケジュール
植え付け時期と収穫時期
エリア | 種まき | 苗植え | 収穫 |
---|---|---|---|
寒冷地 | 3月上旬~5月下旬 | 5月下旬~7月中旬 | 7月上旬~10月上旬 |
温暖地 | 3月上旬~5月中旬 | 5月上旬~6月下旬 | 6月中旬~10月中旬 |
暖地 | 2月中旬~4月下旬 | 4月中旬~6月下旬 | 6月上旬~11月上旬 |
- 最低気温10℃以上のGW前後
- 発芽地温・・・15℃
植え付けるタイミングは霜が降りる心配がなくなってからです。
地温は計測しないとわかりにくいですが、最低気温が10℃以上になってから(GW前後)を目安に植え付けをしましょう!
ホームセンターでは早い段階で販売される事が多いですが、販売されている時はまだ早い時が多いです。
リコピンができるのが20~25度なので暖かくならないと赤く着色なりません。
1本仕立て栽培の手順
- 実がしっかりと美味しい味になる
- 病害虫になりにくい
- 収穫量が少ない
- 管理が手間がかかる
大玉トマトはたくさんの仕立て方がありますが、私が家庭菜園で最もおすすめするのは「1本仕立て栽培」です。
トマトの栽培方法にはさまざまな仕立て方がありますが、私が家庭菜園で最もおすすめするのは『1本仕立て栽培』です。
1本仕立てとは、主軸となる茎を1本だけ伸ばし、脇芽はすべて取り除く方法です。
茎が支柱の頂点(おおよそ目線の高さ)に達したら、頂点をカット(摘心)します。
トマトは花が実になりますが、トマトの成長は『花・葉・葉・葉・花』の順で進行を繰り返す作物です。
支柱の頂点に達するのは、大体5段目の花房のあたりです。したがって、5段目前後まで実をつける栽培方法になります。
1段に2〜3個の実がつくため、1株からおおよそ10〜15個前後のトマトが収穫できます。中玉トマトの場合は、その倍の量が収穫可能です。
1本仕立て栽培のやり方
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必要な材料
- 支柱(トマトの本数分)
- 誘引紐・・・麻ひもがおすすめ
トマトの苗は、行灯を使用すると成長が良くなるため、おすすめです。
仮支柱を立て、行灯を使って植え付けを行いましょう。
苗は、ポットのまま水をはったバケツに1時間ほど浸けておき、晴れた日の午前中に植え付けを行います。
本支柱は1株に1本立てる直立式や、頂点に横通しの支柱を入れる合掌造りなど、お好みのスタイルで構いません。
仮支柱を外して本支柱に苗を誘引(ゆういん)します。紐は麻ひもを使うと、撤去時にカットしてそのまま畑に捨てても自然分解されるので、手間がかかりません。
1段目の花が受粉すると、その後に咲く花もしっかりと成長するため、低温期などで自然受粉が難しい場合や、大玉トマトでは人工授粉を行います。
花が咲いてから2~3日以内に、「トマトトーン」を使って人工授粉を行いましょう。
脇芽は全てカットして、支柱に所々ひもをつかって誘引していきます。
支柱に沿ってトマトの苗が伝っていく感じになりますが、ほおっておくとだらーんとして折れてしまうのでタイミングをみて誘引していきましょう。
誘引する箇所は花がない場所の葉と葉の間がおすすめです。
支柱の頂点まで来たらハサミでてっぺんをカット(摘芯)します。大体花が5段位は咲いているはずです。
1段目のトマトがピンポン玉位になったら追肥をはじめ、10日毎に1株25gの化成肥料を与えます。
マルチをした場合は剥がして毎回与えてそのあと元に戻しましょう。
果実に栄養がしっかりいくように大玉トマトの場合は1つの花房に2~3個のおおきいトマトを残して、先っぽの小さいトマトはカットします。
中玉トマトの場合は不要です。
トマトの実は、花房より上にある葉から栄養が送られて成長します。そのため、下の方の葉はあまり役割を果たしていません。
果実が色づき始めたら、下の葉はすべて切り取り、茎には果実だけが残っている状態に整えましょう。
トマトのヘタのまわりまで赤く完熟したら収穫しましょう。
少し青い状態で収穫しても常温においておけば完熟するので問題ありません。
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畑の準備(土づくり)
投入する資材 | 施肥量 |
---|---|
堆肥 | 2~3kg/㎡ |
石灰 | 150g/㎡ |
肥料 | 130g/㎡ |
- 植え付けから逆算して3週間前に堆肥、2週間前に石灰、1週間前に肥料を入れる
- 肥料は少なめに
堆肥・石灰を撒いたあと1週間経過したら元肥(もとごえ)を1㎡あたり化成肥料130g撒きます。
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畝づくり
- 表面を平らにする
- 地面から15~20センチ位の高さに
土の準備をした畑に、その見た目からベットと呼ばれる事もありますが、畝(うね)を作りましょう。
水はけが良くなるなどのメリットがあり、トマトの畝は15~20センチ位の高さがあれば十分です。
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マルチ
- シルバーマルチがおすすめ
- 手に入るなら敷き藁もおすすめ
敷き藁(わら)の方が黒マルチより乾燥に強い・温度管理が一定に保たれるなどのメリットがありますが手に入りにくいです。
家庭菜園で敷き藁を手に入れるのは難しいので、普通の黒マルチでも大丈夫です。アブラムシの飛来を抑えるシルバーマルチがオススメです。マルチは無くても育ちます。
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植え付け
苗・タネの選び方
- 病気になったり枯れていないもの
- 葉が8~9枚、花が1~2個、茎がタバコの太さ位
- 接ぎ木苗がおすすめ
ホームセンターで買う苗も苗によって状況が違うので綺麗で健康な苗を選びましょう。
葉が生えている所と次の葉が生えている所を節といいますが、節が詰まっていてひょろひょろしていない苗を選びましょう。
葉が8~9枚、花が1~2個咲いている、茎がタバコ位の太さを選ぶと良いでしょう。
接ぎ木苗は病気に強い、連作障害を防止できるなどのメリットがあるので少し高いですが青枯れ病などトマトが枯れる病気にも効果があります。
品種の紹介
- 初心者は中玉トマトを選ぼう
- トマトソースにするならサンマルツァーノがおすすめ
大玉トマトは病気になりやすく、すべての果実を赤くして最後まで収穫するのは難しいため、初めてトマトを育てる場合は中玉トマトを強くおすすめします。
中玉トマトはミニトマトと大玉トマトの中間サイズで、3~4つほどで大玉トマト1個分の大きさになります。栽培に慣れてきたら、大玉トマトにも挑戦してみましょう。
王道の大玉トマトには『桃太郎』があります。味が良いのは『パルト・ファースト
中玉トマトでは、甘みの強い『フルティカ
加熱用には、イタリア産の『サンマルツァーノ』というトマトが非常にトマトソースに適していて美味しいです。一般にはあまり出回っていないため、もし複数の種類のトマトを育てる場合は、ぜひ挑戦してみてください。
種蒔き・植え付け
植え方 | ベット幅(畝幅) | 株間(縦距離) | 条間(横距離) |
---|---|---|---|
1列(1条) | 60~70㎝ | 40㎝ | なし |
2列(2条) | 90~100㎝ | 40㎝ | 100㎝ |
- 苗と苗は40㎝離して植える
- 2列で植える場合は60㎝離して90㎝~120㎝の畝にする
苗の植え付けは風の無い晴れた日の午前中(10時位まで)に行います。植え付け時の苗は弱いので、風があると苗が弱ってしまいます。
連作障害
- あり(3~4年)
トマトは連作障害がある野菜なので、同じ場所で2年連続で栽培するのはオススメしません。
3~4年間は同じ場所・畝(うね)でナス科(じゃがいも・ナスなど)を育てないようにしましょう
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コンパニオンプランツ
- バジル・・・アブラムシ忌避
- マリーゴールド(アフリカン種)・・・コナジラミ・アブラムシ・センチュウ減少
トマトと相性の良いバジルは料理にも使えるため、畝(うね)の端に1株植えておきましょう。
ただし、料理に使うことを考えると、1株だけでは枯れてしまった際に使えなくなるため、2株植えるのがおすすめです。また、バジルの香りはアブラムシを寄せ付けません。
マリーゴールドには『フレンチマリーゴールド
マリーゴールドの香りはコナジラミやアブラムシを遠ざけますが、特にアフリカン種にはセンチュウを減らす効果があるとされています。
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支柱立て
- 高さ・・・2.1m・2.4mを選ぶ
- 太さ・・・16㎜、24㎜を選ぶ
トマトの支柱は、実がつくと重くなるため、高さと太さが十分なものを選びましょう。
高さ2.1mもしくは2.4mを選ぶと、自然と太さは16㎜か24㎜になります。太くて長いものを選ぶとよいでしょう。
2列で植える場合は、「合掌造り(支柱を組み合わせて三角形を作る方法)」がおすすめです。
1列で植える場合は1本の支柱を立て、3株以上植える場合は同じように1本ずつ立てて斜めにもう1本追加すると風に強くなります。
立て方は「直立型」「合掌造り」など色々ありますが合掌造りが一番しっかりと固定できるのでおすすめ。
日々のメンテナンス
追肥【追加の肥料】
- 1株当たり・・・化成肥料25g/㎡
- 初回・・・1段目がピンポン玉サイズになったら
- 2回目以降・・・10日ごとに畝肩(うね肩)に
マルチをしている場合は手間がかかりますが、毎回マルチを剥がして、畝(うね)の肩部分に肥料をまき、その後、マルチを元に戻しましょう。
一番最初のトマトがピンポン玉くらいの大きさになったら、1回目の追肥を行います。その後は10日ごとを目安に同様に追肥を続けます。
ただし、葉が内側にカールしたり、緑が濃くなりすぎるなどの肥料過多の兆候が見られた場合は、追肥の間隔を少し空けるなどの調整を行いましょう。
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摘心・摘果・下葉かき
- 支柱の頂点までいったらトマトの頂点を摘む(摘心)
- 大玉トマトは1段に3個までにして他はカット(摘果)
- 赤く色づいたトマトより下の葉は全てカット(下葉かき)
支柱の頂点までトマトが育つと、5~7段の花(実)が付きますが、トマトのてっぺんをここでカットすることで成長を止め、実に栄養を集中させることができます。
また、大玉トマトは1つの花にたくさんの実がつきますが、結局すべての実が大きくなるわけではありません。
そこで、2~3個の大きなトマトを残し、それ以外の実をカットして栄養を集中させることで、1つの花房から2~3個のトマトを収穫できるように育てます。これを「摘果」といいます。
中玉トマトでは、摘果は不要です。
また、すべてのトマトに共通する管理方法として「下葉かき」があります。下葉かきとは、トマトの実が赤くなった部分から下の葉をカットすることで、風通しが良くなり、病気の予防になります。
赤くなった実の下にある葉をすべてカットして問題ありません。結果として、下の方は茎だけが残る形になります。
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脇芽かき
- 脇芽は全てカット
- ハサミを使ってカット、1株ごとにハサミは消毒しよう
トマトの主軸と横にある葉っぱの間から斜めに出てくる茎を脇芽といいます。脇芽は同じ場所から何度も生えてきます。
本当に小さな脇芽であれば手でカットしても問題ありませんが、大きくなった脇芽を手でカットすると、うまく切れずに茎を傷めてしまうことがあります。
これにより病気が発生するリスクが高まるため、ハサミを使用することをおすすめします。
ハサミを使う際は、面倒でも1株ごとに消毒スプレーをかけ、次の株に移るようにしましょう。
これによって、ハサミから病気が伝染するのを防ぐことができます。
人工授粉
- 大玉トマトは「トマトトーン」を使うのが良い
- 中玉トマトはするとより着果数が増えるのでおすすめ
トマトは、人工授粉をしなくても虫や風によって花が揺れることで受粉します。
トマトの花は、1つの花の中に雄しべと雌しべがある「両性花」であり、風で揺れることや人が指で花を揺らすことで受粉が行われますが、100%の受粉が保証されるわけではありません。
ハウス内や確実に多くの実をつけたい場合には、人工授粉がおすすめ。特に大玉トマトは実の数が少ないため、確実な受粉のために人工授粉をしましょう。
人工授粉には「トマトトーン
トマトトーンは、花のみにスプレーし、茎や成長点にはかからないように注意します。また、1つの花に1回だけスプレーします。
花が咲いてから2~3日以内に人工授粉を行うと良いでしょう。トマトトーンには希釈用と既に希釈されたタイプがありますが、苗数が少ない場合は希釈用のものが適しています。
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水やり
- 夏場(7月~8月)朝イチで1回与える
- 水切り栽培はおすすめしない
トマトの味を濃縮させて甘くするために水を控える方法がありますが、これは初心者にはおすすめできません。
トマトは水分の管理が難しいため、初心者は水をしっかりと与えることをお勧めします。
トマトは昼間に水分を吸収して成長するため、水やりは朝に1度行うのが理想です。夜間には水分を吸収しませんので、夜に水を与える必要はありません。
また、雨が降った場合は水やりは不要ですが、日照りが続く場合や、特に7月から8月の暑い時期には毎日水やりを行いましょう。
栽培期間が1~2ヶ月と長いのでカルシウムを水分補給がてらに与えるといいです。
家庭菜園で使える「リキダス」を水やりの際にジョウロに入れて1週間に1度与えるのがおすすめです。
収穫
- ヘタ近くまで赤くなったらでハサミで収穫
- 朝に収穫しよう
青いトマトも常温(15度~25度)で2~3日置いておけば追熟して赤いトマトになります。
果菜類は養分を夜にためているので、朝イチで収穫すると甘いトマトが収穫できます。
病害虫
- 病気・・・尻腐れ病/青枯れ病などが注意
- 害虫・・・カメムシ/ヨトウムシなどが注意
病気
青枯れ病
株全体が急にしおれて、数日後には枯れてしまう恐ろしい病気です。
青枯れ病は露地栽培では梅雨明け頃の高温時に発生します。
青枯れ病が発生した株は治ることがないため、株を抜いて袋に入れ、土や葉が落ちないように圃場の外に持ち出して処分します。
土壌消毒を行い、水はけをよくするとともに、ハサミによる伝染を防ぐために消毒を行います。
尻腐れ病
トマトの果実のお尻の部分が黒くなるのは、尻腐れ病と呼ばれるもので、これは病気ではなくカルシウム欠乏による生理障害です。
特に大玉トマトに多く見られます。予防策としては、苦土石灰を元肥としてしっかりと施し、乾燥を防ぐために十分な水やりを行うことが重要です。
また、カルシウム以外にもアミノ酸などを含む「リキダス
害虫
カメムシ
カメムシがトマトの汁を吸うと、実が柔らかくブヨブヨになって食べられなくなってしまいます。
カメムシ予防には木酢液を定期的に散布すると効果があるといわれています。
薬剤で駆除する場合は「ベニカ水溶剤
ヨトウムシ
ハモンスヨトウという蛾の幼虫で、小さいときは青虫のようですが老齢虫になると黒い幼虫で大食漢で果実や葉を食べます。
昼は地中にいて夜に食害するので見つけにくいですが、葉についた卵の状態で早期に駆除する等予防が大事です。
米ぬかトラップで駆除も効果があります。
質問コーナー
トマト栽培で初心者が疑問に思う質問をまとめています。
トマト栽培の疑問・質問一覧
質問クリックすると該当箇所にジャンプ!
トマトの仕立て方は何が良いですか?
- トマトの仕立て方は何が良いですか?
-
トマトは通常、1本仕立てで育てるのが一般的です。葉の付け根から出る脇芽はすべて摘み取りましょう。主軸を1本だけ残す方法ですので、主軸と葉の間から出る脇芽も忘れずに摘み取ってください。葉を間違えて切らないように注意しましょう。
トマトの茎に誘引する場所はどこですか?紐はどこでもいいの?
- トマトの茎に誘引する場所はどこですか?紐はどこでもいいの?
-
トマトが成長すると、支柱に所々固定しないと倒れてしまいます。この支柱に紐で結ぶ作業は「誘引」と呼ばれます。花や実になる部分の上下には紐を留めないようにしましょう。風であおられて実が落ちる危険があるため、実がない部分の「葉と葉の間」で誘引を行うと良いでしょう。
トマトの苗はどこまで伸ばせばいいですか?何段目まで収穫できますか?
- トマトの苗はどこまで伸ばせばいいですか?何段目まで収穫できますか?
-
目が届く高さまで摘芯(植物の一番上をカットする)しましょう。支柱が2メートル前後の場合、支柱の一番上まで成長したら摘芯して大丈夫ですが、女性だと作業がしにくいかもしれません。摘芯を行うとそれ以上成長しなくなるため、その時点でトマトの収穫が終了します。家庭菜園では、通常5〜7段程度のトマトしか収穫できませんが、20個前後のトマトができるので大豊作です。この支柱のてっぺんで摘芯を行うと、ちょうどそのくらいの段数になります。
トマトの花が落ちて実がつかないです。なぜですか?
- トマトの花が落ちて実がつかないです。なぜですか?
-
トマトの花が落ちる原因は、受粉が行われなかったためです。これは低温期に見られる現象で、トマトは風によって花が振動することで受粉が促進されます。手で花を軽く振動させるだけでも効果があります。昆虫による受粉もありますが、ハウス内では虫の受粉や風の影響が少ないため、受粉が難しくなります。そのため、人工授粉を行います。露地栽培の場合でも、風による振動で受粉率は約70%ですが、人工授粉を行うことで100%の受粉率が期待でき、1つの花房に多くの実がなります。
人工授粉には「トマトトーン」というホルモン剤を使用します。家庭菜園で苗の数が少ない場合は、希釈するタイプがおすすめです。苗の数が多い場合には、希釈不要のスプレータイプも販売されています。花房の花が2~3個咲いた時に霧吹きで散布します。ただし、花房1つにつき1回で、何度もかけると奇形の実ができる可能性があります。また、散布する際に成長点や茎にかかると成育に影響が出るため、トマトの花を手で包み、花だけに散布するようにしましょう。
茎が太くなり葉が茂るのですがトマトの実がなりません。なぜですか?
- 茎が太くなり葉が茂るのですがトマトの実がなりません。なぜですか?
-
トマトの1番果(最初にできる果実)が受粉していない可能性があります。トマトの最初の花は低温期には受粉しにくいのですが、1番果が受粉しないと、葉で作った養分が花や実に届かず、葉や茎に栄養が使われるため、「蔓ボケ」と呼ばれる状態になります。この状態では葉が多く茂り、茎も太くなる一方で、実がなりません。温度が低い時などに心配な場合は、「トマトトーン
」を使って人工授粉を行いましょう。また、元肥(最初の肥料)に窒素分が多かった場合も考えられるので、肥料を適切な量で与えることが大切です。
トマトの実がひび割れてしまいます。なぜですか?
- トマトの実がひび割れてしまいます。なぜですか?
-
トマトの裂果は、カサブタのような状態になることがあります。これは水分管理の失敗が原因です。極端な乾燥や加湿を防ぐために、適切な水やりを行いましょう。また、アーチ状のパイプを立ててビニールをかけることで、雨が直接かからないようにする雨避け栽培もおすすめです。
トマトの実に裂け目ができました。なぜですか?
- トマトの実に裂け目ができました。なぜですか?
-
ひび割れと似た症状ですが、赤く熟したトマトの実が柔らかくなると、雨が降ることで皮が水分を吸収し、内部が膨張して裂けてしまいます。この状態を放置すると、裂けた部分から腐敗が進み、虫が発生する可能性があります。そのため、早めに収穫し、ソースなどに加工することをおすすめします。また、雨避け栽培を行うことで、被害を減らすことができます。
トマトの実のお尻の部分が黒くなりました。なぜですか?
- トマトの実のお尻の部分が黒くなりました。なぜですか?
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尻腐れ病はカルシウム欠乏によって発生します。この病気を予防するためには、元肥にカルシウムを含む「苦土石灰」をしっかりと混ぜることが重要です。また、家庭菜園では「リキダス」という液体活力剤の使用をおすすめします。水やりを兼ねて定期的に散布することで、トマトの味が良くなるだけでなく、病気の予防にも役立ちます。私もリキダスを使っています。
トマトの苗はいつまで収穫できますか?いつ撤去すればいいですか?
- トマトの苗はいつまで収穫できますか?いつ撤去すればいいですか?
-
家庭菜園でのトマトの苗は、5〜7段目までが限界で、支柱のてっぺんまで果実を収穫できます。秋作に移行する場合、8月中〜下旬には撤去する必要があります。もし青いトマトがまだ残っている場合でも、撤去してしまい、常温で約1週間置いておくと追熟し、赤くなります。また、未熟なトマトはピクルスやぬか漬けなどにする方法もあります。
冷凍・冷蔵保存方法
- 冷蔵保存・・・ヘタを下にしてキッチンペーパーで包み袋に
- 冷凍保存・・・ざっくり切る/ヘタをくりぬいて丸ごと1個ジップロックに入れて
ざっくり切っても構いませんが、トマトを丸ごと1個冷凍すると、流水にさらすだけで皮がつるんとむけます。
冷蔵保存する場合は、トマトのヘタを下にして保管しましょう。1つずつキッチンペーパーで包み、袋に入れて野菜室で保存します。
また、収穫した野菜を入れる袋を工夫するだけで、野菜が長持ちします。エチレンガスを吸収して鮮度を保ってくれる袋
これらの袋は高価ではなく、野菜のおすそ分けにも喜ばれるため、冷蔵庫で腐らせてしまう方にも非常におすすめです。
大量消費レシピ
- トマトソース
- ミネストローネ
トマトが大量に余った場合は、玉ねぎとニンニクを炒め、トマトとバジルを煮込んでトマトソースを作り、冷凍しておくと、パスタと和えるだけで美味しくて便利です。
また、ミネストローネを作る際にカットトマトを使用するのもおすすめです。
トマトの苗を5~6株植える場合は、サンマルツァーノという煮込み用トマトを選ぶと良いでしょう。最初からソースにする前提で育てると、より美味しいソースが作れます。