種類 | 果菜類 |
科目 | イネ科 |
栽培難易度 | ★★☆ |
収穫量 | ★☆☆ |
管理の手間量 | ★★☆ |
植える時期 | 4月中旬~7月下旬 |
収穫時期 | 7月中旬~10月中旬 |
連作障害 | なし |
初心者おすすめ | 種 |
プランター栽培 | × |
日当たり | 日なた |
支柱 | × |
マルチ | ◎ |
ベットの高さ(畝高) | 10cm |
1列植え | × |
2列植え | 90~100㎝(ベット幅) 30㎝(株間:縦) 50㎝(条間:横) |
PH | 5.5~7.0 |
堆肥 | 4kg/㎡ |
石灰 | 100g/㎡ |
最初の肥料(元肥) | 化成肥料 190g/㎡ |
追加の肥料(追肥) | 化成肥料 50g/株(2回) |
コンパニオンプランツ | インゲン、かぼちゃ、レタス等 |
植える時期・収穫時期は関東など温暖地の目安です。
北海道・沖縄など寒冷地や暖地の詳細はスケジュールの箇所で紹介しています。
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もくじ
年間スケジュール
植え付け時期と収穫時期
エリア | 種まき | 苗植え | 収穫 |
---|---|---|---|
寒冷地 | 5月中旬~6月上旬 | 6月中旬~7月上旬 | 7月中旬~9月上旬 |
温暖地 | 4月中旬~5月下旬 | 5月中旬~6月下旬 | 7月中旬~8月上旬 |
暖地 | 3月下旬~5月上旬 | 4月下旬~6月上旬 | 7月上旬~7月中旬 |
植え付け時期のポイント
- 最低気温14℃以上のGW前
- 発芽地温・・・14℃
播種の目安は、最低地温が14℃以上になったころです。
地温は計測しないとわかりにくいですが、最低気温が14℃以上になってから(GW前後)を目安に植え付けをしましょう!
トウモロコシは品種によって撒くのが違い、温暖地では早生(わせ)種は4月中、中早生(なかわせ)種は6月~7月に蒔けます。
4月中に蒔く場合はマルチ栽培、トンネル栽培をする場合は3月中旬でも可能です。
連作障害
連作障害のポイント
- 連作障害が無い
- クリーニングクロップとして畑をリセット出来る
トウモロコシは、畑の肥料分を多く吸収する能力を持つ「クリーニングクロップ(cleaning crop)」として知られています。そのため、畑の肥料分を一度リセットしたい場合におすすめの作物です。
畑に肥料を追加することは簡単ですが、過剰な肥料を取り除くことは難しいため、トウモロコシは重要な役割を果たします。
長期間の栽培によって塩類集積や連作障害が発生し、作物がうまく育たない場合は、スイートコーンを作付けするのが良いでしょう。
栽培を続けると、肥料成分が徐々に蓄積し、「窒素・リン・カリ」の3大肥料が偏って畑に残ることがあります。その結果、「窒素過多・リン不足」などの状態になり、病害虫が発生しやすくなります。
市民農園などでは、前の利用者がどのような作物を栽培していたかわからないこともあるため、畑を一度リセットする意味でも、最初にトウモロコシを植えるのは効果的です。
畑の準備(土づくり)
投入する資材 | 施肥量 |
---|---|
堆肥 | 4kg/㎡ |
石灰 | 100g/㎡ |
肥料 | 190g/㎡ |
土づくりのポイント
- 植え付けから逆算して3週間前に堆肥、2週間前に石灰、1週間前に肥料を入れる
堆肥・石灰を撒いたあと1週間経過したら元肥(もとごえ)を1㎡あたり化成肥料190g撒きます。
畝づくり
畝づくりのポイント
- 表面を平らにする
- 地面から10センチ位の高さに
土の準備をした畑に、その見た目からベットと呼ばれる事もありますが、畝(うね)を作りましょう。
水はけが良くなるなどのメリットがあり、ズッキーニの畝は10センチ位の高さがあれば十分です。
マルチ
マルチのポイント
- 黒マルチがおすすめ
- 手に入るなら敷き藁もおすすめ
敷き藁(わら)の方が黒マルチより乾燥に強い・温度管理が一定に保たれるなどのメリットがありますが手に入りにくいです。
家庭菜園で敷き藁を手に入れるのは難しいので、普通の黒マルチでも大丈夫です。
トウモロコシは種を植える時に地温が高い方が良いので4月などまだ寒い時期にはマルチは必須でしょう、ただし途中で追肥の段階で土よせをしないといけないので剥がす事になります。
植え付け
苗・タネの選び方
苗選びのポイント
- 病気になったり枯れていないもの
- 種を直接地面に植える(直播)がおすすめ
ホームセンターで買う苗も苗によって状況が違うので綺麗で健康な苗を選びましょう。
とうもろこしはポットで苗を作る事が出来ますが、発芽に14度以上と暖かい温度が必要なので寒い時期で発芽しない等の理由が無ければ「種を買って直接地面に撒く方がおすすめ」です。
ホームセンターで苗を売っているのを見た事がありますが、種の方が数もたくさん入っていて圧倒的に安いので種を撒く方がお得です。
品種の紹介
トウモロコシの品種
品種選びのポイント
- ポップコーンは専用品種じゃないとならない
- 異なる品種どうしを隣り合わせで植えない
トウモロコシをポップコーンにしたい場合、通常のスイートコーンを乾燥させてもポップコーンにはなりません。そのため、「爆裂種」と呼ばれるポップコーン専用の品種を栽培する必要があります。
一般的に市販されているトウモロコシは「スイートコーン」という品種で、粒の色によって「ゴールデンコーン(黄粒種)」「シルバーコーン(白粒種)」「バイカラーコーン(黄白粒種)」の3種類に分類されます。
黄色の品種の中で一番人気のある「ゴールドラッシュ」は、粒が大きく甘いのが特徴です。その中でも「味来(みらい)」はさらに甘く、まるでフルーツのような味わいです。
白粒種のトウモロコシは生で食べられることが多く、「ピュワホワイト」は薄皮で上品な甘みを持ち、「バニラッシュ」は粒がぷりっとしていて非常に甘く、「ホワイトレディ」はクリーミーな風味があり、スープにも適しています。
バイカラーコーンでは、「甘々娘」や「ハニーバンタム」が特に甘く、「ウッディーコーン」はしっかりとした食感が特徴です。
これらの色の違いは、異なる品種を近くで栽培すると交配して変わってしまうことがあります。そのため、同じ畝(うね)や隣の畝に植える場合は、品種を揃えることが推奨されます。
珍しい品種としては、「もち種」と呼ばれる「ワキシーコーン」があります。この品種はもちもちした食感で美味しく、主に東南アジアや中国で食用とされています。蒸して食べたり、デザートの材料として利用されたりしています。
種蒔き・植え付け・間引き
植え方 | ベット幅(畝幅) | 株間(縦距離) | 条間(横距離) |
---|---|---|---|
1列(1条) | ー | ー | ー |
2列(2条) | 90~100㎝ | 30㎝ | 50㎝ |
植え付けのポイント
- 種は3㎝の深さで1か所に3~4粒撒く
- トウモロコシは受粉のために2列以上で植える
- 発芽までは不織布をかけるのがおすすめ
トウモロコシは1ヶ所に深さ3㎝位の穴を空けて3~4粒撒いて後か土を被せます。植え付け後は、水をしっかり与えましょう。
1ヶ所最終的に1本に間引きくので4本出たら3本はカットしてしまいます。
これは発芽率を考えての予防策なので1ヶ所1粒でも実際は問題ありません。ただ発芽しない事があるので、数粒撒くわけです。
「種の節約・考え方」によりますが1ヶ所2粒等でもリスクはありますが可能で、ポットに1粒ずつ撒いて苗を作る作戦もありますす。
それよりも大切なのは「種を撒いたら発芽するまでは不織布をかける」事です。豆類も同じですが植えたのに何も出てこない・・・という事があり、実はこれは鳥が種を食べてしまっているからでこれを予防するためです。
畝(うね)全体に不織布をかけて風で飛ばないように石などで固定しておきます。
トウモロコシは頂点の穂から花粉が飛んで、果実の先のヒゲにつく事で受粉をして中に粒が出来上がります。
花粉が飛ぶように1列ではなく2列で植えます。1列だと受粉されにくいからです。本数をたくさん植えて受粉を指せるのが成功の秘訣です。
コンパニオンプランツ
コンパニオンプランツのポイント
- 枝豆、インゲンなど豆類・・・アワノメイガ忌避
- かぼちゃ・・・成長促進
豆類は、トウモロコシの天敵であるアワノメイガを忌避し、かぼちゃは地面の乾燥を防ぎ、トウモロコシの成長を促します。
私が実際に試しておすすめしたいトウモロコシのコンパニオンプランツは、『つるありインゲンとかぼちゃ』の混植です。
かぼちゃはトウモロコシと同時に播種して問題ありませんが、つるありインゲンはトウモロコシの葉が5枚ほど成長してから種を植えないと、成長のタイミングが合わなくなります。
トウモロコシの近くにインゲンを植えると、トウモロコシの茎が支柱代わりになり、蔓が絡んで育ちます。
支柱立て
支柱のポイント
- 支柱は不要
- 防鳥対策で使う場合は立てよう
トウモロコシには通常、支柱は必要ありません。
ただし、実が大きくなるとカラスに食べられる被害が多く発生します。特に鳥が多い地域では、適切な対策が重要です。
防鳥ネットを使用する場合は、ネットを支えるために支柱を立てる必要があります。
1本仕立て栽培の手順
1本仕立て栽培のメリット
- 栄養が集中して大きな1本が収穫できる
- 小さい果実はベビーコーンで食べられる
- 実が小さい等失敗が少ない
1本仕立て栽培のデメリット
- 1本から収穫本数が少ない
とうもろこしはいくつか仕立て方がありますが、私が家庭菜園で最もおすすめするのは「1本仕立て栽培」です。
1本仕立ては、1ヶ所に1本のトウモロコシを育て、その1本から1つの実を収穫する方法です。
1株から2〜3本の果実がつきますが、そのうちの2本は小さいうちに収穫して『ベビーコーン』として食べることができます。
農家では1株から2本の収穫が一般的ですが、家庭菜園では肥料や土の状態によるので難しいです。
栄養を1本に集中させて大きな果実を得ることが成功の秘訣です。
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日々のメンテナンス
追肥【追加の肥料】
追肥のポイント
- 化成肥料50g/株(1回あたり)
- 1回目・・・50㎝位に成長した時
- 2回目・・・茎の先端に雄穂(ボンボン)が出た時
トウモロコシには、2回追肥を行います。
1回目の追肥の際には、マルチをカッターなどで切り剥がします。剥がした後、株の周りに肥料をまき、土寄せをして株が倒れないようにします。
2回目の追肥も同様に行い、通路部分の土から土寄せします。
トウモロコシは風をよく受けるため、土寄せをしないと倒れてしまうことがあります。風による倒伏を防ぐために、土寄せをしっかり行いましょう。
土寄せ・摘果
土寄せ・摘果
- 追肥のタイミングで2回土寄せ
- 一番上の果実以外は小さいうちに収穫
一番上の果実を収穫サイズまで育てるため、下の果実はすべて摘み取ります。収穫時は、株を傷めないように丁寧に行いましょう。
種まきから85〜90日が収穫の目安で、2番目の果実も小さいうちに収穫し、ヤングコーンとして楽しめます。
ヤングコーンの美味しい食べ方は、外側の皮を1〜2枚残して剥き、ヒゲをアルミホイルで包んで魚焼きグリルで約10分焼くことです。実だけでなく、ヒゲも美味しく食べられます。
人工授粉
人工授粉のポイント
- 頂点(雄穂)が咲いてから10日後頃がタイミングの目安
- アワノメイガ対策になる
タイミングが合わないとき
- 頂点(雄穂)をカットしてジップロックで保存
- 3本に1本は残しておく
頂点(雄穂)から花粉が飛び、実のヒゲに受粉することで、ヒゲ1本1本が実になります。収穫した際に実が全く詰まっていない場合は、受粉に失敗している可能性があります。
2列で10株以上植えていれば、風によって自然に受粉しますが、株数が少ない場合は念のため人工授粉を行いましょう。
花粉が飛ぶタイミングで、雄穂を根元から斜めにハサミで切り取り、穂を使って実のヒゲに花粉をつけて人工授粉させます。花粉の量は限られていますが、1つの雄穂で約3株に受粉させることができます。
トウモロコシの害虫「アワノメイガ」は雄穂から茎に入り、実を中から食べる厄介な虫です。しかし、雄穂を切り取ることで、これを予防することが可能です。
人工授粉をしない場合でも、花粉が飛び終わって雄穂が乾燥したら、早めに切り取っておきましょう。
水やり
水やりのポイント
- 乾燥をしすぎない程度に与えればOK
植え付け直後は、数日に1回の水やりがオススメですが、雨が降る場合は水やりは不要です。
実がつき始めると、水分を非常に多く必要とするようになるため、雨が降らない時は家庭菜園では水やりをしっかり行うことで失敗が少なくなります。
7月・8月は3日に1回程度で、気温が下がった夕方や早朝に水を与えるのが理想的です。
収穫
収穫のポイント
- 収穫適期・・・ひげが出て20~25日後、ヒゲが褐変し、先端の実が黄色になった時
- 朝に手で収穫しよう
適期収穫を心がけましょう。収穫の適期は絹糸が出てから20~24日です。
実のヒゲがこげ茶色になったら、少し皮をむいて粒の充実を確かめてから収穫します。
早採りすると甘みが十分に乗らず、実もしなびやすくなります。反対に、収穫が遅れると色が悪くなり、粒の皮が硬くなり、甘みも減少します。
実の中心をつかんで思い切ってバキッと下に折ります。早朝が糖度が最も高いので朝に収穫しましょう。
病害虫
病害虫のポイント
- 倒伏細菌病・ウイルス病などが注意
- アワノメイガ・アブラムシなどに注意
病気
倒伏細菌病
倒伏細菌病は、トウモロコシのさまざまな部分に影響を与える病気です。
葉の部分では、淡い茶色の斑点ができ、それが次第に茶褐色に変わり、最終的には腐ってしまいます。雌穂や雄穂でも同じように茶褐色になり、腐敗します。
葉には斑点や筋のような病変が現れ、症状が進むとこれも腐敗し、成長が妨げられます。この病気になると、茎が腐りやすくなり、倒れやすくなるため、「倒伏細菌病」と呼ばれています。
湿度が高い環境で発生しやすく、特に梅雨の時期には注意が必要です。
病気にかかった茎や葉から他の部分に感染が広がり、種子を通じても感染することがあります。
薬剤で防除は出来ないので発生した場合は株を抜いて畑の外に持ち出して処分しましょう。
ウイルス・モザイク病
葉が縮れたり、緑の濃い部分と薄い部分がまじりあって、新葉が黄色く撒いてしまう症状を言います。
症状が進むと先端部が細長い葉になったり、株全体が萎縮してしまい治る事はないので株を抜くしかありません。
アブラムシがモザイク病を媒介するので、アブラムシに対する予防をすることが病気の予防になります。
害虫
アワノメイガ
アワノメイガとは、「メイガ」という蛾の仲間です。
トウモロコシの実ができる前の雄穂、雄花が食害され、結果実がならなくなってしまいます。
作物の収穫後、冬に幼虫もしくはさなぎ状態で土の中で越冬、翌年春に成虫になり葉の裏や外側に卵を植え付けます。その幼虫が茎に穴をあけてそこから出入りします。
メイガは夜行性の為、夜間に卵を植え付けるのでなかなか発見しにくいです。
頂点(雄穂)を受粉が終わったらカットする、実にネットをかける事で予防できます。
アブラムシ
アブラムシは葉に穴をあけたりしませんが葉から汁を吸う事で葉全体が委縮します。
アブラムシがモザイク病運んできてモザイク病になるので注意です。被害が大きい場合はその葉を取り除く事も必要ですが防除出来ます。
家庭菜園では自然農薬のスプレーを作ったり、歯ブラシで除去する方法もあります。
質問コーナー
とうもろこし栽培で初心者が疑問に思う質問をまとめています。
とうもろこし栽培の疑問・質問一覧
とうもろこし栽培の質問
質問クリックで該当箇所にジャンプ!
トウモロコシの葉の付け根に黄色い粉状のものがあります。何ですか?
トウモロコシが売っているサイズの実になりません。なぜですか?
トウモロコシの実を乾燥させたら全てポップコーンになりますか?
トウモロコシの実が収穫直前に鳥に食べられました。対策はありますか?
トウモロコシの実がスカスカで実が詰まってません。なぜですか?
トウモロコシの実に虫が入って食べられてました。対策はありますか?
栽培が終わった後のトウモロコシの茎はどうしたらよいですか?
トウモロコシは何条(何列)で植えたらよいですか?
トウモロコシ栽培と相性が良い野菜はありますか?
冷凍・冷蔵保存方法
冷凍・保存のポイント
- 冷蔵保存・・・野菜室で1~2日
- 冷凍保存・・・粒を外してジップロック
トウモロコシは鮮度があっという間に落ちて甘みが少なくなるので収穫したらすぐにゆでるのがおすすめ。
保存する場合は野菜室に葉をつけたまま立てて保存しましょう
冷凍保存するのもおすすめで、茹でたトウモロコシの粒を1つ1つ剥がす、もしくは包丁で粒をこそいでジップロックで冷凍しておけば夏が過ぎても甘いコーンが通年で食べられます。
大量消費レシピ
おいしいレシピ
- ホワイトシチュー
- 丸焼き
丸焼きの仕方
- 葉をつけたままそのまま炭の中へ・・・転がしてながら7分
- 葉をつけたまま網で焼く・・・20分焼く(5分毎に転がす)
トウモロコシは正直たくさん取れてもあまり困らず、冷凍してしまえば通年で食べられます。私は1年分夏に冷凍して通年甘いコーンを楽しんでいます。
缶や市販の冷凍品とは夏に取れたコーンは甘さが全く違うので是非テレビを見ながら1粒1粒外して冷凍を。シチュー、ピザ、スープ、なんでも活躍します。
せっかく皮つきなので丸焼きがおすすめ。
丸焼きは炭の中に入れると「ジューシー」、網で焼くと「甘くなる」という違いがあるので好みの焼き方で食べましょう。