種類 | 果菜類 |
科目 | ナス科 |
栽培難易度 | |
収穫量 | |
管理の手間量 | |
植える時期 | 5月上旬~6月上旬 |
収穫時期 | 6月中旬~11月上旬 |
連作障害 | あり(3~4年) |
初心者おすすめ | 苗 |
プランター栽培 | ○ |
日当たり | 日なた |
支柱 | ○ |
マルチ | ◎ |
ベット高さ(畝高) | 15~20cm |
1列植え | 60~90㎝(ベット幅) 40㎝(株間:縦) なし(条間:横) |
2列植え | 120㎝(ベット幅) 40㎝(株間:縦) 50㎝(条間:横) |
pH | 6.0~6.5 |
堆肥 | 2~3kg/㎡ |
石灰 | 100g/㎡ |
最初の肥料(元肥) | 130g/㎡(化成肥料) |
追加の肥料(追肥) | 30g/㎡(化成肥料) ※14日毎 |
コンパニオンプランツ | 落花生、ニンニク、ニラ等 |
植える時期・収穫時期は関東など温暖地の目安です。
北海道・沖縄など寒冷地や暖地の詳細はスケジュールの箇所で紹介しています。
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年間スケジュール
植え付け時期と収穫時期
エリア | 種まき | 苗植え | 収穫 |
---|---|---|---|
寒冷地 | 3月中旬~4月上旬 | 5月下旬~6月中旬 | 7月上旬~10月下旬 |
温暖地 | 3月上旬~4月上旬 | 5月中旬~6月上旬 | 6月中旬~10月下旬 |
暖地 | 3月上旬~3月中旬 | 4月下旬~5月中旬 | 6月上旬~11月中旬 |
- 最低気温10℃以上のGW前後
- 発芽地温・・・地温15℃以上
植え付けるタイミングは霜が降りる心配がなくなってからです。
地温は計測しないとわかりにくいですが、最低気温が10℃以上になってから(GW前後)を目安に植え付けをしましょう!
ホームセンターでは早い段階で販売される事が多いですが、販売されている時はまだ早い時が多いです。
苗が無くなるので早く買う場合は、暖かい日の当たる場所などでポットのまま水やりして保管しましょう。
2本仕立て栽培の手順
- 仕立て方が一番簡単で練習に良い
- 収穫量が少ないといっても1株から50個以上は取れる
- 株数が多いと支柱がたくさん必要
唐辛子はたくさんの仕立て方がありますが、私が家庭菜園で最もおすすめするのは「2本仕立て栽培」です。
栽培方法で一般的なのは「3本仕立て」です。〇本仕立てとは、主軸(太い枝)を何本残して育てるかを示すもので、4本仕立てや5本仕立ての方法もあります。
本数が増えると収穫量は増えますが、葉が茂りすぎて管理が難しくなったり、風通しが悪くなったりして、病気のリスクが高まります。また、枝が増える分、必要な肥料の量も増えます。
そのため、初心者には私の経験から「2本仕立て」が最もおすすめです。
2本仕立てをマスターすれば、3本や4本の仕立ても同じ原理で栽培できるようになります。
唐辛子の栽培方法は以下の通りです。
- ”2本の主軸”を育て「主軸から出る果実はすべて収穫」
- ”主軸から伸びる脇芽”はほったらかし
という作業を繰り返します。
2本仕立てのやり方
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必要な材料
- 支柱・・・1株あたり2本(長さ1.2m、1.5m、1.8mで太さ11~20㎜ほど)
- 仮支柱・・・1本
- 誘引(ゆういん)用の紐
短めの支柱(60~80cm)を斜めに地面に差し込み、苗を優しく紐で誘引しましょう。
麻ひもは土にそのまま捨てても自然に分解されるため、環境に優しく便利です。また、行灯(あんどん)を併用すると、成長が促進されるためおすすめです。
植え付けの際に一緒に準備しておくと、後々の作業が楽になります。
唐辛子の2本仕立ては、主軸を2本U字型に育てる方法です。苗を挟んで逆ハの字になるように、2本の支柱を立てます。
支柱は30cmほどしっかりと土に刺し込みましょう。
1番花(果実)は、風で少し揺れるだけでも受粉するため、軽く揺らして受粉を助けてあげましょう。
1番花が受粉すると、実がつきやすくなり、今後たくさんの花が咲くようになります。
ただし、1番花を大きく育てると株の成長が抑えられてしまうため、食べられないほど小さいサイズで早めに収穫するようにしましょう。
1番花の収穫時に追肥を行います。1株あたり化成肥料を30g与えましょう。
マルチを使用している場合は、マルチを剥がし、株から約10cm離れた場所に均等に撒きマルチを元に戻します。
唐辛子は、1番花を頂点に、基本的にU字型に分岐します。もし枝が3本になっている場合は、1本をカットして2本に整えます。この2本の枝を支柱に誘引し、紐で固定しながら育てていきます。
枝が次々と伸びてきて、どの枝を主軸にすればよいか迷った場合は、2本のうち太い方を主軸とし、引き続き2本を誘引して育てていきます。
この誘引作業は最後まで続けます。
1番花が咲く頂点からU字型に枝分かれしますが、その分岐点より下の部分はすっきり整えます。
主軸には大きな葉が5枚ほどついていると思います。その葉の間から出てくる脇芽は全て取り除き、脇芽に使われるはずの養分を株の成長に集中させ、株自体を大きくします。
主軸は支柱にしっかりとまっすぐ誘引しますが、葉と主軸の間から次々と脇芽が出てきます。この脇芽は成長して枝となり、徐々に茂っていきます。
唐辛子栽培が簡単なのは上の方の葉はほったらかしの放任栽培でOKだからです。
古くなった葉など色が変色した葉は適宜カットするだけです。
追肥を続けることで植物は大きく成長するため、14日ごとを目安に追肥を行います。ただし、状況によっては肥料が多すぎたり少なすぎたりすることがあります。
そこで、「花の中心部が飛び出ているかどうか」を目安に、追肥のタイミングを判断します。
・中心部が飛び出ている場合は、肥料が十分なので追肥の間隔を少しあけても構いません。
・中心部がへこんでいる場合は、肥料不足のサインなので、追肥を行いましょう。
2回目以降の追肥は、畝(うね)の肩の部分に施します。根は生長して広がっているため、株元ではなく肩の部分で効率的に肥料を吸収できるからです。追肥時には、マルチを剥がしてから、再び元に戻してください。
⑥で脇芽をカットした後は、下の方に残っている葉を全て取り除き、主軸だけを残してスッキリとした状態にします。葉を減らすことで、病気の発生を防ぐ効果があります。
また、枯れている葉や病気の葉も同様に取り除いていきましょう。枝や葉が茂りすぎると、逆に実をつけにくくなるため、苗の中心に向かって伸びている枝は適度に剪定してあげると良いです。
剪定の目安としては、通路の向こう側にいる人が見える程度に枝を整理すると、風通しが良くなります。
収穫までに3つの作業を繰り返す必要があります。実がたくさんついてくると、唐辛子は重くなる一方で軸が弱くなり、大風などで折れてしまうことがあります。
収穫の適期を見極めてしっかりと収穫し、主軸を誘引することを心がけましょう。
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畑の準備(土づくり)
投入する資材 | 施肥量 |
---|---|
堆肥 | 2~3kg/㎡ |
石灰 | 100g/㎡ |
肥料 | 130g/㎡ |
- 植え付けから逆算して3週間前に堆肥、2週間前に石灰、1週間前に肥料を入れる
- 肥料は少なめに
堆肥・石灰を撒いたあと1週間経過したら元肥(もとごえ)を1㎡あたり化成肥料130g撒きます。
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畝づくり
- 表面を平らにする
- 地面から15~20センチ位の高さに
土の準備をした畑に、その見た目からベットと呼ばれる事もありますが、畝(うね)を作りましょう。
水はけが良くなるなどのメリットがあり、唐辛子の畝は15~20センチ位の高さがあれば十分です。
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マルチ
- シルバーマルチがおすすめ
- 手に入るなら敷き藁もおすすめ
敷き藁(わら)の方が黒マルチより乾燥に強い・温度管理が一定に保たれるなどのメリットがありますが手に入りにくいです。
家庭菜園で敷き藁を手に入れるのは難しいので、普通の黒マルチでも大丈夫です。
もし手に入るのであれば、アブラムシの飛来を抑えるシルバーマルチがオススメです。マルチは無くても育ちます。
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植え付け
苗・タネの選び方
- 病気になったり枯れていないもの
- 節感が詰まっているもの
- 接ぎ木苗がおすすめ
ホームセンターで買う苗も苗によって状況が違うので綺麗で健康な苗を選びましょう。
葉が生えている所と次の葉が生えている所を節といいますが、節が詰まっていてひょろひょろしていない苗を選びましょう。
「接ぎ木苗」は病気に強い、連作障害を防止できるなどのメリットがあるのでおすすめ。
少し高いですが枯れてしまって収穫できないと0なので、初期投資しておくのが上手に栽培するコツです。
品種の紹介
- 一般的な唐辛子は「鷹の爪」
- 「ピリ辛韓国唐辛子」「札幌大長なんばん」は韓国焼肉のつけあわせ
- 「万願寺とうがらし」は辛くないので『大きいしし唐』
「唐辛子」と「しし唐」の違いは、『甘さ』と『大きさ』にあります。
一般的に辛いものを唐辛子と呼び小さい一般的なものもあれば肉厚なハラペーニョのようなものもあります。
一方で、しし唐は辛さが弱く、10〜15cm程度の細長い形が多いです。
このブログでは、サイズではなく「辛くない唐辛子」を「しし唐」として分類し、「辛い唐辛子」は「唐辛子」として紹介します。
誰もが想像する唐辛子は「鷹の爪」ですが、地域によってさまざまな唐辛子が存在し、辛さが強いものも多くあります。例えば、東北地方では「南部大長南蛮」など大型の唐辛子が栽培されています。
タコライスやタコス向けにサルサソースを作りたい方には「ハラペーニョ」、さらに辛いカレーに使いたい方には「ハバネロ」も良い選択です。これらの栽培方法は同じなので、意外とプランターでも簡単に栽培できます。
次に『生食で食べられる=しし唐』を紹介します。
生のまま食べたい方には「韓国唐辛子」がおすすめです。本格的な赤くして凄く辛いキムチ用もありますが、日本ではデルモンテが出している「ピリ辛韓国とうがらし」が生のまま食べられてホームセンターでも多くの苗が販売されています。
日本には生食用の「札幌大長なんばん」などの在来種も存在します。
ホームセンターでよく見かける「万願寺とうがらし」は名前は辛そうですが、実際の辛さはほとんどありません。食べ方としては、『大きいしし唐』のように扱え、肉詰めや肉巻き、焼いて醤油とおかかをかける食べ方がおすすめです。
種蒔き・植え付け
植え方 | ベット幅(畝幅) | 株間(縦距離) | 条間(横距離) |
---|---|---|---|
1列(1条) | 60~90㎝ | 40㎝ | なし |
2列(2条) | 120㎝ | 40㎝ | 50㎝ |
- 苗と苗は40㎝離して植える
- 2列で植える場合は50㎝離して120㎝の畝にする
苗の植え付けは風の無い晴れた日の午前中(10時位まで)に行います。植え付け時の苗は弱いので、風があると苗が弱ってしまいます。
連作障害
- あり(3~4年)
唐辛子は連作障害がある野菜なので、同じ場所で2年連続で栽培するのはオススメしません。
3~4年間は同じ場所・畝(うね)でナス科(じゃがいも・トマトなど)を育てないようにしましょう
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コンパニオンプランツ
- バジル/ネギ/パセリ/ニンニク・・・害虫予防
- ニンジン/ホウレンソウ/落花生・・・相互成長
バジルやパセリ等を近くに植えるとその臭いで害虫が寄ってこない効果があります。
ニンニクも同じ効果があります。また植え付けの時に唐辛子の苗の根をネギと一緒に交えて2本のネギで挟むように植えると青枯れ病の対策になります。
同じナス科のトマトも同じですが、落花生を近くに植えるとマルチ代わりになって土壌の保湿効果もあります。
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支柱立て
- 高さ・・・1.2m、1.5m、1.8mを選ぶ
- 太さ・・・11㎜、16㎜、20㎜を選ぶ
唐辛子の支柱は、太さや長さにそれほどこだわる必要はありません。
唐辛子の株は約1.5m前後まで成長するため、その程度の長さがあれば十分です。
太さについても、トマトやキュウリの支柱ほどしっかりしていなくても問題ありません。
支柱を立てるときに、苗を紐でくくる作業(誘引)はコツがあるので注意しましょう!
やり方を間違えると成長の過程で苗が折れてしまう・傷がつき病気になる事につながります。
日々のメンテナンス
追肥【追加の肥料】
- 1株当たり・・・化成肥料30g/㎡(2週間毎)
- 初回・・・植え付けから3週間後に株元に
- 2回目以降・・・14日ごとに畝肩(うね肩)に
唐辛子は、1番果ができたら追肥の合図です。まず、マルチを剥がし、株のまわり10㎝離れた場所に与えて、再びマルチを元に戻しましょう。
2回目以降の追肥では、根が広く張っているため、マルチを剥がして畝(うね)の肩に肥料を撒くだけで十分に吸収されます。
ただし、肥料を定期的に与えるだけでは肥料過多になることもあるため、唐辛子の花の状態を見て追肥が必要かどうか判断します。
唐辛子の花の真ん中が飛び出ている(雌しべが雄しべよりも長い)場合はOKです。
逆に、真ん中が短い(雌しべが雄しべよりも短い)場合は肥料不足のサインです。
このような場合を除いては、追肥をしっかりと与えましょう。
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整枝・摘心・摘果・摘葉・下葉かき
- 主軸を2本にして残り伸ばしていく(整枝)
- 1番最初の実は小さいうちに取り除く(摘果)
- 古くなった葉はカット、真ん中で混み合っている葉もカット(摘葉)
- 1番果の下までの5節目までに出る脇芽は全てカット(下葉かき)
唐辛子は、1番果(最初に咲いた花)が頂点となり、そこから左右に2本の枝にUの字に分岐します。
2本仕立てでは、この2本の分岐した軸を支柱に紐で誘引しながら伸ばしていきます。
成長が進むと、分岐が2本から4本、さらに8本と増え、どれを誘引すればよいか分かりにくくなることがよくあります。
支柱に誘引する軸は決まっていないので、自分で選ぶ事になります。太くしっかりした軸を選び、1本の支柱に1本の軸をしっかりと誘引することを心がけましょう。
1番果は、受粉させて実をつけますが、まだ小さく食べられないうちに摘み取りましょう。これは、株全体に栄養を行き渡らせ、より健全な成長を促すためです。
また、1番果の下にある脇芽(幹と葉の間から生える芽)は、すべて摘み取ります。
支柱に誘引している主軸以外の脇芽が大きくなると、側枝(脇芽が成長して枝になる)が発生します。
側枝はほったらかしでOK、基本的に放任栽培で勝手に育ちます。
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人工授粉
- 唐辛子は人工授粉が不要
唐辛子の花は一つの花の中に雄しべと雌しべがあり、基本的に風で揺れるだけで受粉が行われます。
そのため、通常は人工授粉の必要はありません。畑で栽培している場合、虫が自然に受粉を助けてくれます。
ただし、ビニールハウスなど風が届かない環境では、軽く花を揺らすことで受粉を促すことができます。
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水やり
- 真夏は水やりを毎日やるのがおすすめ
- リキダスを一緒に与えると良い
植え付け直後は、数日に1回の水やりがオススメですが、雨が降る場合は水やりは不要です。
実がつき始めると、水分を非常に多く必要とするようになるため、雨が降らない時は家庭菜園では水やりをしっかり行うことで失敗が少なくなります。
夏場(7月・8月)は毎日水やりをすることが推奨され、気温が下がった夕方や早朝に水を与えるのが理想的です。
気温が高い時間帯に水をやると、水温が上がり苗が傷んでしまう原因になるため、避けましょう。
栽培期間が1~2ヶ月と長いのでカルシウムを水分補給がてらに与えるといいです。
家庭菜園で使える「リキダス」を水やりの際にジョウロに入れて1週間に1度与えるのがおすすめです。
収穫
- 実が6~7センチでハサミで収穫
- 朝に収穫しよう
- 唐辛子(普通)・・・5~10cm
- ハラペーニョ・・・5~9㎝
- 韓国唐辛子【しし唐】・・・10~15cm
- 万願寺とうがらし【しし唐】・・・15~20cm
1番果が成りますが、勿体ないと思わずに小さい食べられないサイズのうちに収穫しましょう。
株を大きく育てるためですが、次々と唐辛子はなるので安心してください。ハサミで収穫するのを忘れずに。
唐辛子は収穫が遅れると辛さが分散されて辛みが弱くなるので、収穫をしっかりとすることが大切です。
表面が濃い緑色でツヤがあり、しっかりとした張りがある状態が理想です。緑の唐辛子を収穫する際の目安にしましょう。
赤い唐辛子は完熟した状態で収穫するので、青唐辛子として収穫しない場合は実をそのままにして赤くなるまでまちます。
15度以下だと赤くなりにくく、20~30度の気温で赤くなるので地域によっては赤くならないため唐辛子が収穫しずらいエリアもあります。唐辛子は収穫後でも赤くすることが出来るので次に紹介する方法で赤くしましょう。
病害虫
- 病気・・・半身萎凋病/ウイルスモザイク病などが注意
- 害虫・・・アブラムシ/ハダニなどが注意
病気
半身萎凋病
この病気の典型的な特徴は、株の片側だけが急激に萎れることです。最初は葉や茎の片側だけが枯れ始め、もう一方は健康に見えるものの、次第に株全体が萎れてしまいます。
これは細菌性の病気であり、発症後に治療することはできません。感染した株は早めに撤去し、翌年の発病を防ぐための対策が必要です。
予防策としては、「接ぎ木苗の使用」、「輪作の実施」、「太陽熱消毒」が、家庭菜園でも実行できる効果的な方法です。
ウイルスモザイク病
唐辛子の葉が縮れたり、緑の濃い部分と薄い部分がまじりあって、モザイクタイルのようなモザイク柄になる症状を言います。
症状が進むと先端部が細長い葉になったり、株全体が萎縮してしまい治る事はないので株を抜くしかありません。
アブラムシがモザイク病を媒介するので、アブラムシに対する予防をすることが病気の予防になります。
害虫
アブラムシ
葉の裏側に緑色や黒色の虫が付いている場合、それはアブラムシです。
アブラムシは植物の汁を吸い取ってダメージを与えますが、最も厄介なのは、モザイク病を媒介することや、排泄物によってすす病を引き起こす点です。
初期段階では、水で洗い流す方法も有効ですが、大量発生した場合はスプレーの使用がおすすめです。家庭菜園で使える自然派薬剤としては「ベニカマイルドスプレー」がおすすめ。
ハダニ
ハダニの数が増えると、葉に白い斑点のような跡が現れ始めます。葉の色が抜け白くかすれたようになったり、葉が枯れたりします。
ハダニは水に弱いので霧吹きや噴霧器で水を葉の表と裏に直接吹きかけると洗い流されます。この方法は初期なら効果がありますが大量発生すると対応できないので、スプレーや農薬を使うのがおすすめ。
家庭菜園では、被害が確認された際に使用できる自然派の薬剤として希釈してジョウロで与えるなら「アーリーセーフ」がおすすめです。
そのままスプレータイプで散布したい場合は、3つの天然由来成分で作られていて収穫直前まで使える「ベニカナチュラルスプレー」がおすすめです。
質問コーナー
唐辛子栽培で初心者が疑問に思う質問をまとめています。
唐辛子栽培の疑問・質問一覧
質問クリックすると該当箇所にジャンプ!
ししとう、唐辛子、パプリカ、ピーマンの違いは何ですか?
- ししとう、唐辛子、パプリカ、ピーマンの違いは何ですか?
-
ししとう、唐辛子、パプリカ、ピーマンはすべてナス科トウガラシ属の植物ですが、それぞれにいくつかの違いがあります。ししとうは唐辛子の一種で、辛みが少ないか、ほぼ感じられません。一方、唐辛子は辛みがあり、品種によって辛さは異なります。乾燥させたり、チリパウダーとして使用されることが多いです。パプリカは甘みが強く、カラフルな色合いが特徴の唐辛子です。ピーマンは緑色で、未熟な状態で収穫されるパプリカの一種です。栽培の難易度としては、ししとうや唐辛子が最も簡単で、その次にピーマンが続きます。パプリカは最も栽培が難しい品種ですが、ミニパプリカは比較的簡単です。特に大きなパプリカは赤く色づくまでに2ヶ月ほどかかり、時間と手間がかかります。
唐辛子を長期保存する場合は干すのですか?
- 唐辛子を長期保存する場合は干すのですか?
-
唐辛子の乾燥方法には、『自然乾燥(天日干し)』『オーブンや食品乾燥機での乾燥』『電子レンジでの簡易乾燥』の3つがあります。天日干しの場合、唐辛子をよく洗い、水気を切ってから軒下や風通しの良い場所に吊るして干します。または、ざるに広げて干す方法もあります。乾燥期間は、数週間から1ヶ月が目安です。自然乾燥させた唐辛子は、半年から1年と長期保存が可能ですが、オーブンや電子レンジを使った簡易乾燥では、自然乾燥ほどの長期保存は期待できません。
緑の唐辛子を栽培して、完熟したら唐辛子になりますか?
- 緑の唐辛子を栽培して、完熟したら唐辛子になりますか?
-
緑の唐辛子を栽培して完熟させると、赤や黄色などの完熟唐辛子になります。実をつけたまま完熟させる事もできますし、青いまま収穫してから雨が当たらない場所で天気の良い日に置いておくと10日くらいで赤くなります。青い唐辛子を干しておくのはカビやすいので実をつけたまま完熟させる方が簡単です。唐辛子は成熟段階に応じて色が変化するため、収穫時期によって異なる色と風味を楽しむことができます。
緑の唐辛子と赤い唐辛子の違いは何ですか?
- 緑の唐辛子と赤い唐辛子の違いは何ですか?
-
緑の唐辛子は比較的マイルドで赤い唐辛子の方が一般的には辛みが強いです。完熟して赤くなると風味が豊かになります。赤い唐辛子は元々は緑の唐辛子で、完熟する事で赤い唐辛子になります。
唐辛子はどれくらいの大きさになったら収穫すれば良いですか?
- 唐辛子はどれくらいの大きさになったら収穫すれば良いですか?
-
緑の唐辛子は5~10㎝で色つやが良く、濃い緑になったら収穫のタイミングです。赤い唐辛子はさらに成長させて赤い完熟の色になり、つやが出てきたタイミングです。品種によって違うので、サイズは品種別にあわせたサイズで収穫しましょう。
唐辛子の追肥の仕方を教えてください。
- 唐辛子の追肥の仕方を教えてください。
-
唐辛子は1番目の花が成ったタイミングが1回目の追肥のタイミングで、マルチを剥がして株の周り10㎝位の場所に化成肥料 30g/㎡を与えます。その後は化成肥料 30g/㎡を2週間毎に与えますが、2回目以降は畝(うね)の肩の部分の、1回目より少し離れた場所にばら撒きます。これは根が生長して肥料を吸える場所が変わっているからです。
唐辛子の仕立て方、剪定の仕方を教えてください。
- 唐辛子の仕立て方、剪定の仕方を教えてください。
-
唐辛子は放任栽培で問題ありません。1つ目の花が成った時に花が実になりますが、1つ目の実は小さいうちに収穫します。株の成長に肥料を使ってもらうためです。次にその1番花を頂点としてUの字に2本仕立てにしていきます。この3本以上の枝がこの頂点から出てきた場合は太い2本を残してカット、その2本を支柱に誘引(紐で固定)します。あとはこの支柱に誘引した2本を上に上に誘引していきますが、太い枝を選んでどちらも誘引していけばよいです。脇芽が色々出てきますが、ピーマンのように摘芯する必要は無いので放任栽培で実がたくさんつきます。
唐辛子のおすすめの品種を教えてください。
- 唐辛子のおすすめの品種を教えてください。
-
長さ3㎝位の一般的な唐辛子でパスタ等で使われているのが「鷹の爪」です。サルサソースやピクルスにして食べられるのが、メキシコの「ハラペーニョ」です。キムチにおすすめなのが鷹の爪より肉厚な「韓国唐辛子」です。赤くして食べるのではなく、緑のまま食べる「万願寺とうがらし」「伏見とうがらし」は甘みがほんのりあり辛みが無いので子供でも食べやすいです。焼いたりそのまま素焼きにして食べるなどの食べ方があります。気温が低く赤くなりにくい北海道では「激辛なんばん」という辛みの強い『三升漬け』に使われる唐辛子や、「札幌大長なんばん」など緑の状態で収穫し、そのまま食べる肉厚な唐辛子が栽培されています。
万願寺とうがらしがホームセンターで売っていました。何ですか?
- 万願寺とうがらしがホームセンターで売っていました。何ですか?
-
万願寺とうがらしはホームセンターで良く販売されていますが、簡単に説明すると「辛くない大型のししとう」で赤い鷹の爪のような食べ方では食べません。「ブランド京野菜」で関西で有名な野菜で、種も少なく食べやすい甘みとボリュームがある肉厚の唐辛子です。シンプルに素焼きにして鰹節と醤油で食べる、天ぷらにする、肉巻きにする、肉詰めにするなどの食べ方があります。
唐辛子は1株からどれくらい採れますか?
- 唐辛子は1株からどれくらい採れますか?
-
赤い一般的な唐辛子の品種「鷹の爪」は約50〜100個以上、青唐辛子は30~50個ほど、ハラペーニョは30個前後の果実を収穫できます。栽培状態によって数が変わるので追肥をしっかりしてあげましょう。
乾燥と長期保存
- 緑の唐辛子を赤くするのは、雨を避けて日当たりの良い場所で10日程
- 天日干しで1ヶ月ほど乾燥させて完成
- 天日干し・・・半年~1年ほど
- 電子レンジやオーブン・・・3ヶ月ほど
赤い唐辛子は、基本的に赤くなってから収穫しますが、収穫後に日当たりの良い雨の当たらない場所で、10日ほど「吊るす」または「ざるに広げる」ことで追熟させることも可能です。
乾燥させた赤唐辛子は、ペペロンチーノなどで使われる保存状態になり、長期保存が可能になります。
乾燥方法にはいくつかありますが、自然乾燥が最も時間はかかるものの、長期保存に適しています。1ヶ月ほど日陰で風通しの良い場所に「吊るす」か「ざるに広げる」ことで、しっかりと乾燥させましょう。
電子レンジやオーブンで乾燥させる場合は、100℃の低温で40分、その後20分を数回繰り返して乾燥させます。ただし、この方法では完全に水分が抜けないため、保存期間は短くなります。
大量消費レシピ
- 唐辛子のオイル漬け
- 青唐辛子のしょうゆ漬け
赤唐辛子は乾燥させて冷凍庫に入れておけば、1年以上保存できるため、ペペロンチーノなどの日々の料理で少しずつ使うことができます。
乾燥させた赤唐辛子15〜20本と200mlのオリーブオイルを瓶に入れ、2週間待てば「唐辛子のオイル漬け」が完成します。このオイル漬けは、ピザやパスタにタバスコ代わりに使える便利な調味料です。
生の青唐辛子も、10本ほどを輪切りにして150mlの醤油を瓶に入れ、1晩待てば「青唐辛子の醤油漬け」が完成します。冷ややっこにかけたり、そのままご飯にかけると、ピリ辛でクセになる味わいが楽しめます。