種類 | 葉菜類 |
科目 | ユリ科 |
栽培難易度 | ★★★ |
収穫量 | ★☆☆ |
管理の手間量 | ★★☆ |
植える時期 | 4月下旬~5月下旬 |
収穫時期 | 4月(1ヶ月間)6月・7月・8月 |
連作障害 | なし |
初心者おすすめ | 苗 |
プランター栽培 | 〇 |
日当たり | 日なた/半日陰 |
支柱 | 〇 |
マルチ | × |
ベットの高さ(畝高) | 20cm |
1列植え | 80~90㎝(ベット幅) 50㎝(株間:縦) ー(条間:横) |
2列植え | ー |
PH | 6.0~7.0 |
堆肥 | 6~10kg/㎡ |
石灰 | 200~300g/㎡ |
最初の肥料(元肥) | 化成肥料 150g/㎡ |
追加の肥料(追肥) | 化成肥料 50g/㎡(20日毎) |
コンパニオンプランツ | ニンニク、バジル、パセリ等 |
植える時期・収穫時期は関東など温暖地の目安です。
北海道・沖縄など寒冷地や暖地の詳細はスケジュールの箇所で紹介しています。
各ボタンをクリックすると該当箇所にジャンプ!
もくじ
年間スケジュール
植え付け時期と収穫時期
エリア | 種まき | 苗植え | 収穫 |
---|---|---|---|
寒冷地 | 3月中旬~4月中旬 | 6月中旬~7月中旬 | 5月中/7月上旬~9月下旬 |
温暖地 | 2月中旬~3月中旬 | 4月下旬~5月下旬 | 4月中/6月上旬~8月下旬 |
暖地 | 2月中旬~3月中旬 | 4月下旬~5月下旬 | 4月中/6月上旬~8月下旬 |
植え付け時期のポイント
- 最低気温10℃以上の3月以降
- 発芽地温・・・25~30℃
2つの植え方
- 種から苗を作る・・・育苗に2ヶ月かかる
- 根株を買う・・・2ヶ月間短縮できる
アスパラは「苗を作る」「根株を植える」の2つのパターンがあります。
種から苗を作るのに2ヶ月かかるので、初心者は「根株」が売っているので買ってくると簡単です。
苗を作る場合は、ポット(9㎝)に2~3粒撒いて、5㎜程ほど薄ーく覆土します。
水やりをし、発芽まで新聞紙をかけて5㎝程の長さになったら強い1本残して間引きます。2ヶ月ほどして15㎝程になり本葉3~4本になったら定植可能です。発芽まで15日~20日と時間がかかります。
連作障害
連作障害のポイント
- あり
アスパラガスは、植えてから1年目は収穫ができず、株を育てる時期です。2年目以降から収穫が始まります。
同じ場所で10~15年栽培し続けることができるため、長期的な視点での栽培計画が必要です。植える場所には注意しましょう。
また、アスパラガスは連作障害があるため、過去にアスパラガスを育てたことのない場所で栽培しましょう。
畑の準備(土づくり)
投入する資材 | 施肥量 |
---|---|
堆肥 | 6~10kg/㎡ |
石灰 | 200~300g/㎡ |
肥料 | 150g/㎡ |
土づくりのポイント
- 植え付けから逆算して3週間前に堆肥、2週間前に石灰、1週間前に肥料を入れる
堆肥・石灰を撒いたあと1週間経過したら元肥(もとごえ)を1㎡あたり化成肥料150g撒きます。
アスパラガスは10年以上栽培するため、最初の土づくりが非常に重要です。
十分な量の堆肥を使い、株を植えた後は根が約1mほど地下にまで伸びるため、堆肥を入れて50㎝ほど土を深くまで耕しましょう。
植え付け
苗・タネの選び方
苗選びのポイント
- ホームセンターでは売っていない事が多い
- 根株を買う方法がおすすめ
苗は全体的に青々としていて、茎が太くしっかりしているものが理想です。葉が黄色くなっていたり、萎れている苗は避けましょう。
エリアによっては苗の販売が少ない場合もあり、ビニール袋に入って販売されている『根株』を購入するのがおすすめです。
大きなサイズの根株であれば、初年度からアスパラを収穫できることもあります。
品種の紹介
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスは同じ品種ですが、栽培方法によって異なった色と風味になります。
ホワイトアスパラガスは日光を遮って育てることで得られるため、家庭菜園では遮光用のバケツなどをかぶせる方法が一般的です。
グリーンアスパラガスには、太くしっかりとした食感が特徴の『ガインリム』、病気に強く収穫量が多い『スーパーウェルカム』、寒冷地でも育ちやすい『メリーワシントン』、細くて生食向きの『シャワー』などの品種があります。
一方、紫アスパラガスはグリーンとは異なる品種で、甘みが強く、生食(特にサラダ)に適しています。加熱すると紫色が緑色に変わりますが、お酢やレモンを加えて茹でると色が保たれやすくなります。
紫アスパラガスの代表的な品種には、日本の気候に適応し育てやすい『恋むらさき』、風味豊かで美味しい『満味紫』、太くしっかりとした『パープルタワー』などがあります。
種蒔き・植え付け
植え方 | ベット幅(畝幅) | 株間(縦距離) | 条間(横距離) |
---|---|---|---|
1列(1条) | 80~90㎝ | 50㎝ | なし |
2列(2条) | ― | ― | ― |
エリア | 根株 | 苗 |
---|---|---|
寒冷地 | 7月下旬 | 3月~4月(種撒き) 6月中旬~7月中旬(植え付け) |
暖地 | 6月上旬 | 2月~3月(種撒き) 4月末~5月末(植え付け) |
植え付けのポイント
- 苗と苗は50㎝離して植える
- 根株は20cmほど深さに植えて10~12cmほど土を被せる
- 苗はポットの土面が畑面より5cmほど深くなるよう植える
浅く植えることで、根がしっかりと地中に張りやすくなり、苗の定着もスムーズになります。根が十分に育つことで、後々のアスパラガスの収穫量が増えることにつながります。
アスパラガスは日当たりが良い場所を好みます。
半日陰でも3~4時間ほど1日に日当たりがある場所なら育ちますが、基本的に日当たりが良い場所を好む野菜です。
コンパニオンプランツ
コンパニオンプランツのポイント
- 病気予防・・・ニンニクなど
- 害虫忌避・・・バジル、パセリなど
ニンニクとアスパラガスの相性も良く、ニンニクが土壌の消毒効果と成育を助け合う効果があります。
バジルやパセリもアブラムシなどの害虫を遠ざける効果があるとされています。
支柱立て
支柱のポイント
- 高さ1.5m以上を選ぶ
- 太さ16㎜以上を選ぶ
アスパラガスは支柱を立てて回りを囲むことで、ふさふさになる葉が風に煽られて倒れないようにします。
2~3mおきに支柱を1本ずつさして周りを囲み、栽培中に2回紐を張ります。
40㎝・80㎝の高さの所に紐を張り周りを囲んで株が倒れる(倒伏防止)のを防ぎます。
2季採り栽培の手順
2季採り栽培のメリット
- 春と秋の2回収穫ができるので収穫量が増える
2季採り栽培のデメリット
- 葉と茎の管理が必要
- 春の栽培量は少ない
- 追肥が必要
アスパラは春にだけ収穫する「春採り栽培」、春と秋に収穫する「2季採り栽培」の2種類があります。
私が家庭菜園で最もおすすめするのは「2季採り栽培」です。
「立茎収穫・長期収穫」とも呼ばれ、春に収穫するのを適切なタイミングでやめて、アスパラを大きく成る葉成長させて光合成をさせて根に栄養を蓄え、秋にも収穫をする方法です。
画像は+をクリック
動画は+をクリック
日々のメンテナンス
追肥【追加の肥料】
追肥のポイント
- 1株当たり化成肥料50g/㎡(20日毎)
- 立茎開始後30日ほど経過したころから行う
- 追肥は寒冷地で8月下旬、暖地で9月下旬ごろまで
4月に春の収穫をした後、1株から4~5本の茎を5月に入って残して伸ばします。これを立茎といいます。
収穫して食べずに伸ばしていくということですね。立茎が始まってから6月に入ると追肥を始めましょう。
半月に1度、20日毎のペースで追肥を続け寒冷地は8月下旬、暖地は9月末まで続けます。
下枝かきと刈り取り
下枝かきと刈り取り
- 下枝を夏にかきとり整理する(8月前後:40㎝の段)
- 全部を地きわで刈り取り(10月末前後)
支柱を立て、40cmの高さで紐を張っていますが、それ以上に成長した株が全体的に揺れてしまうため、大きくなった株については、40cmの紐の位置より下の葉や枝をハサミでカットします。
冬に越冬させる前には、黄色くなった株を地面の近くでカットします。地面に近い位置でカットしないと、病害虫も一緒に越冬してしまうため、できるだけ低い位置で切りましょう。
水やり
水やりのポイント
- 乾燥には割と強い
- 真夏(7月・8月)や雨が長期降らないときに水やりをする
夏場に株をバテさせないためには、土を乾燥させないよう少量多回数の水やりを行います。
気温が高い時間帯に水をやると、水温が上がり苗が傷んでしまう原因になるため、避けましょう。
栽培期間が1~2ヶ月と長いのでカルシウムを水分補給がてらに与えるといいです。
家庭菜園で使える「リキダス」を水やりの際にジョウロに入れて1週間に1度与えるのがおすすめです。
収穫
収穫のポイント
- 実が25~30センチでハサミで収穫
- 朝に収穫しよう
収穫年度 | 春の収穫 | 秋の収穫 |
---|---|---|
1年目 | なし | なし |
2年目 | 7~10日 (暖地:4月、寒冷地:5月) | 3ヶ月 (暖地:6~8月、寒冷地:7~9月) |
3年目以降 | 30日 (暖地:4月、寒冷地:5月) | 3ヶ月 (暖地:6~8月、寒冷地:7~9月) |
栽培2年目で7~10日くらい、3年目以降は30日間を春に収穫できます。
夜間に蓄えた糖分と水分を成長に使い始める前の早朝が収穫に一番おすすめです。
病害虫
病害虫のポイント
- 茎枯病・斑点病などが注意
- ヨトウムシ・アザミウマなどに注意
病気
茎枯れ病
アスパラガス栽培において最も大敵となる病気は、梅雨や台風シーズンに発生しやすいです。
初めは茎に菱形のような症状が現れ、進行すると株の大部分が枯れてしまいます。
予防対策としては、敷き藁を使って泥はねを防止し、秋から冬にかけて枯れた茎や葉を畑に残さないことが重要です。
発生すると有効な対策がないため、新しい畑に植え直すことを検討しましょう。
斑点病
斑点病は、茎や葉に小さな斑点を生じさせ、症状が進行すると株全体の葉が9月中に枯れてしまいます。
この病気が蔓延すると、秋に養分を貯蔵することができず、収穫量が減少し、味も落ちてしまいます。
北海道などでも深刻な問題となっている病気です。
予防策としては、ダニコール1000を使用することで防除が可能です。また、秋には枯れた茎や葉を残さないようにしましょう。
害虫
ヨトウムシ
葉を食い荒らし、大きな穴が開くことがあります。特に新芽や若い葉に被害が出やすいです。
夜に食べて昼は地表の浅い部分に隠れているので、幼虫を見つけたら手で取り除くのが対策です。
アザミウマ
アザミウマは小さな昆虫で、体長は約1〜2mmです。
アザミウマが多発した場合、草勢の回復が難しくなるため、多発する前の予防が重要です。
特に、アスパラガスの新芽や葉の裏側に潜むことが多いです。
予防策としては、畑とその周辺をこまめに草刈りすることが必要です。
質問コーナー
アスパラガス栽培で初心者が疑問に思う質問をまとめています。
アスパラガス栽培の疑問・質問一覧
アスパラ栽培の質問
質問クリックで該当箇所にジャンプ!
アスパラガスの苗はいつ植えるのが良いですか?
アスパラガスの苗はどこで手に入りますか?
アスパラガスを育てるためにどれくらいのスペースが必要ですか?
アスパラガスの植え付けの深さはどのくらいが良いですか?
アスパラガスは植えてからどれくらいで収穫できますか?
アスパラガスの越冬方法はどのようにすればいいですか?
アスパラガス栽培に支柱は必要ですか?
アスパラガスの品種による違いはありますか?
ホワイトアスパラガスはどのように育てればいいですか?
冷凍・冷蔵保存方法
冷凍・保存のポイント
- 冷蔵保存・・ラップで包んでたてて冷蔵庫
- 冷凍保存・・・1分程度下茹でしてカットしてジップロック
収穫し立てのみずみずしさが魅力のアスパラガスは、収穫から数日でスジが出て固くなりますので、できるだけ早めに食べます。
3~5日を目安に冷蔵保存しますが、それ以上長く保存したい場合は冷凍しましょう。
塩を入れたお湯で1分ほどさっと茹でて氷水に入れて冷やすと色鮮やかになります。使いやすいサイズに切ってジップロックで冷凍しましょう。
また、収穫した野菜を保存する袋にひと工夫するだけで、鮮度を長持ちさせることができます。エチレンガスを吸収して野菜の鮮度を保ってくれる袋も市販されています。
価格も手頃で、おすそ分けの際にも喜ばれるため、野菜を冷蔵庫で腐らせてしまいがちな方にも非常におすすめです。
大量消費レシピ
おいしいレシピ
- アスパラベーコン巻き
- アスパラの丸焼き
アスパラは消費に困るほどの野菜では無いですが、美味しい食べ方を紹介します。
ベーコンをアスパラ1本に巻いてフライパンで焼くとジューシーに食べられます。
また、アスパラ1本をオリーブオイルにたっぷりと焼く前に絡めてから、魚焼きグリルで5分程ひっくり返しながら焼くとジューシーなアスパラの丸焼きの完成です。