- 立ち枯れ病(苗立枯病)が発生する原因
- 立ち枯れ病(苗立枯病)の予防方法
- 立ち枯れ病(苗立枯病)の治療方法
感染すると根は茶色に腐り、だんだんと下葉から黄化して枯れてしまいます。
家庭菜園では苗の植え付けの時に苗の根っこを挟むようにネギと一緒に混色しましょう。
農薬での予防はオーソサイド水和剤80が効果的。
立ち枯れ病(苗立枯病)の被害状況と発生する原因
- 気温:25度~30度
- 時期:3月~11月頃
- 葉が下から黄化する・株が萎れる・根が傷む・地際の茎がくびれて腐る
- 土の中にいるカビ菌が原因/土の中にいる細菌が原因
立ち枯れ病は根に感染する病気です。感染すると根は茶色に腐り、次第に下葉から黄化して葉は枯れ上がります。
株全体の勢いがなくなり、萎れる場合は立ち枯れ病を疑いましょう。
この病気は湿度が高い土壌や時期に発生しやすく、水分を好みます。
水はけが悪い場所や降雨が続く時期は特に注意が必要です。立ち枯れ病の原因はカビ菌で、カビ菌は葉の裏表にある気孔から侵入し、症状を引き起こします。
植物の残渣に残った菌が越冬し、翌年に再発することもあります。風や振動によってカビが空気中を漂い、他の植物に感染が拡大します。
立ち枯れ病(苗立枯病)の被害が出る野菜
こんな野菜に立ち枯れ病(苗立枯病)は発生しやすいです。
【発生前】防除・予防方法
- 無農薬で出来る予防法
- 農薬を使う予防法
(無農薬)防除・予防方法
- 水はけと泥はね対策(畝高にする・マルチをする)
- 土づくり(肥料成分・PHを調整)
- カニ殻を植え付け前に施す
- 輪作する
- コンパニオンプランツを使う
水はけと泥はね対策
大雨などで水はねした土に細菌が含まれていることがあります。これらの細菌は、作物の傷などから侵入して発病することもあります。したがって、頭上から水をやるのではなく、株元に水を与えましょう。
水はねを防ぐためには、マルチシートの使用が効果的です。
土づくり(肥料成分・PHを調整)
酸性土壌では病害が多く発生するため、苗の植え付け段階で土壌のpHが6.0~6.5になるようにチェックしましょう。これはどんな野菜を育てる場合でも重要です。
カニ殻に含まれているキチン質は放線菌を増やし、土中のカビ菌を分解するため、植え付け前に元肥として200g~300g/㎡を与えると予防効果があります。
ただし、カニ殻にも肥料成分が含まれているため、与える肥料の量を調節しないと窒素過多になるので注意が必要です。
ぼかし肥料の中にカニ殻が含まれているものは、使用しやすくておすすめです。
輪作をする
発生した野菜を治す事は出来ませんが、病気は異なる野菜では発生しないこともあるため、同じ野菜を同じ場所で栽培しないように連作障害対策を行い、輪作をするのも良い方法です。
コンパニオンプランツを使う
コンパニオンプランツとしてネギを一緒に植えると、ネギの根に共生する拮抗菌が立ち枯れ病の予防に効果を発揮します。
苗を植える際には、ポットから苗を取り出してそのまま植え付け、左右に1本ずつネギを配置します。
ネギの根と苗の根が絡むように植え付けることで、立ち枯れ病の予防効果が高まります。
(農薬)防除・予防方法
- オーソサイド水和剤80
- リゾレックス水和剤
農薬は、同じ病気や害虫に対しても、使用できる野菜の種類が決まっています。そのため、野菜ごとに使用する農薬を分ける必要があります。
農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、その作物に適した薬剤を選びましょう。農薬は劇薬であるため、子供の手の届かない場所に保管してください。
家庭菜園ではオーソサイド水和剤80が便利です。
リゾレックス水和剤も効果があります。
【発生後】立ち枯れ病(苗立枯病)の治療方法と対策
- 太陽熱消毒で菌を殺す
- 天地返しをして菌を遠ざける
いったん発病すると、残念ながら治療方法はありません。発病した株は、株ごと引き抜き、畑の外に持ち出して焼却処分やゴミとして処分します。
畑の中で土にすき込むと、土に菌が残り、翌年に再発したり、他の野菜に広がる原因となるため、必ず外に持ち出します。
この記事の画像は大坂うつみ(@utsumissimo)さん、でん(@energy126kcal)さんからご提供いただきました。
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