- さび病が発生する原因
- さび病の予防方法
- さび病の治療方法
ネギ類に多く発生し最終的には株が枯れてしまいます。
玉ねぎやニンニクなど根を食べる野菜はさび病になっても根に被害がなければ食べられます。
農薬での予防・初期治療はカリグリーンが効果的。
さび病の被害状況と発生する原因
- 気温:低温で雨が多いと発生しやすい
- 時期:4月~5月、9月~11月頃
- 葉にさびのような点々が出る(色は様々)
- 葉が枯れていく、株が枯死する場合も
- 土の中にいるカビ菌が原因
さび病にはいくつかの種類があります。赤さび病では赤い斑点が、白さび病では白い斑点が、そして黒さび病では黒い斑点が葉に発生します。
特に多いのはネギや玉ねぎ、らっきょう、ニンニクなどのネギ類に見られる赤さび病です。赤さび病は触れると指にオレンジ色の粉がつく特徴があります。
この病気は葉に初めは斑点として現れ、次第に大きくなり、最終的には葉が枯れて株全体が枯死します。
さび病の原因はカビ菌です。このカビ菌は葉の表裏の気孔から侵入し、症状を引き起こします。また、カビの残渣が残っていると翌年にも病気が再発することがあります。
風や振動によってカビが空気中を漂い、他の植物に感染を広げることがあります。
前年に発生したさび病が原因で病気が再発することもありますので、発見したら速やかに畑の外に運び出すことが重要です。
さび病になったニンニクや玉ねぎは食べられるの?
ニンニク・玉ねぎなど根を食べる野菜は葉に被害があっても実が問題なければ食べられます。
ただし、可食部の実まで被害が進んでいる場合は食べるのを控えたほうがよいでしょう。
ネギなど葉を食べる野菜は被害がひどくなければさび病の場所を取り除いて食べることが可能です。被害がひどい場合は食べるのを控えましょう。
さび病の被害が出る野菜
こんな野菜にさび病は発生しやすいです。
ネギ類のニラ・ネギ・ラッキョウ・玉ねぎ・ニンニクには赤さび病が発生します。
キク科の大根・カブ・白菜・小松菜には白さび病が発生します。
【発生前】さび病の防除・予防対策
- 無農薬で出来る予防法
- 農薬を使う予防法
病気が発生する前に出来る「無農薬で出来る要望策」「農薬を使った予防策」を紹介します。
(無農薬)防除・予防方法
- 水はけと泥はね対策(畝高にする・マルチをする)
- 土づくり(肥料成分・PHを調整)
- 自作のスプレーをする
水はけと泥はね対策
大雨などで水はねした土に細菌が含まれていることがあります。これらの細菌は、作物の傷などから侵入して発病することもあります。したがって、頭上から水をやるのではなく、株元に水を与えましょう。
水はねを防ぐためには、マルチシートの使用が効果的です。
土づくり(肥料成分・PHを調整)
さび病は窒素過多で発生しやすいので適正量の肥料を与える事が大切です。
窒素が過剰に溶け出す心配のない肥料を使う事がおすすめです。
マイガーデンベジフルは窒素成分が多くない家庭菜園でおすすめの追肥でも使える肥料です。
酸性土壌では発生が多くなるので、苗の植え付けの段階でどんな野菜もph6.0~6.5のphになるようにチェックしましょう。
カニガラと酢で使ったスプレーは効果がある?
- 重曹スプレー
- ストチュウ
- キチン質酢?
身近な物で作る自然派スプレーは農薬では無いので定期的(1週間や2・3日単位)で散布を継続しないと効果が出ないので注意。
「カニの殻とお酢を混ぜて作った溶液を水に溶かしてスプレーすると、キチン酢になり、キチンがさび病に効果がある」という記事をよく見ます。
しかし、色々探しましたがこの結果を証明する論文を見つけることができませんでした。
実際には、カニに含まれるキチンはお酢では溶けず、シュワシュワと出るのはカニの殻に含まれるカルシウムが酸に溶けているだけであり、キチンが溶け出しているわけではありません。
つまり、この効果はキチンではなく、お酢による殺菌効果によってさび病が予防されていると考えられます。
もし家庭でさび病を予防したい場合は、お酢で作った「ストチュウ」をスプレーすると良いでしょう。
一方で、キチンを使ってさび菌に対抗したい場合は、水に溶けて実際に効果を発揮する安全な「キトサン」を使用することをお勧めします。
(農薬)防除・予防方法
- カリグリーン
- ダニコール1000
- サプロール乳剤
有機JAS規格(オーガニック栽培)に使える自然派薬剤のカリグリーンがおすすめです。
その他にもダニコール1000・サプロール乳剤などが該当します。
【発生後】農薬を使った治療方法
- カリグリーン
- ダニコール1000
- サプロール乳剤
さび病におすすめの農薬を紹介します。
発生したら発病した葉を速やかに除去し、処分します。生初期であればカリグリーンが良いでしょう。
発生したあとに予防に効く農薬を散布しておけば次の発生を防止できます。
この記事の画像はちりん(@chirin_porin)さんからご提供いただきました。ご協力ありがとうございます。