家庭菜園で出来る萎凋病(いちょうびょう)の簡単な対策と駆除の仕方を学びます。
- 萎凋病(いちょうびょう)が発生する原因
- 萎凋病(いちょうびょう)の予防方法
- 萎凋病(いちょうびょう)の治療方法
萎凋病にかかると葉全体が徐々に黄変し、症状は左右対称に発生、しおれが植物全体に広がります。
対抗品種があるので品種を選んだり、コンパニオンプランツや農薬で予防しましょう。
発生後の治療は出来なくて、農薬で予防はベンレートが効果的。
萎凋病(いちょうびょう)の被害状況と発生する原因
- 気温:27度~28度
- 時期:5月~10月頃
- 初期症状は日中に枯れたような感じになり、夕方に復活する
- 翌日も枯れたような感じになり下葉から枯れていく
- 土の中にいるカビ菌が原因
発生した株の茎の部分をカットすると中が茶色くなっているのが特徴です。
生育は極端に遅れて、果実のつきも悪くなります。次第に黄色くなった葉は落ちていきます。
萎凋病の原因はカビ菌です。
カビ菌が葉の裏表にある気孔から侵入し症状が発生し、残渣をすき込んだ時に残っている菌が翌年まで越冬することで発症することもあります。
風や振動によってカビが空気中を漂い、他の植物に感染が拡大します。
萎凋病と半身萎凋病の見分け方は?
半身萎凋病 | 萎凋病 | |
---|---|---|
症状 | 片側だけ、または部分的にしおれる。 全体がしおれるのではなく、部分的に枯れることが特徴。 | 葉全体が徐々に黄変し、しおれが植物全体に広がる。 下位の葉から上位の葉へと進行。 |
発生環境 | 高温で乾燥 | 冷涼な気候 |
茎の内部 | 茎の維管束に褐色の変色が見られる。 片側だけが変色していることが多い | 茎の維管束に茶色い変色 |
これらのポイントを踏まえて観察することで、トマトの半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)と萎凋病(いちょうびょう)を見分けることができます。
萎凋病(いちょうびょう)の被害が出る野菜
こんな野菜に萎凋病(いちょうびょう)は発生しやすいです。
【発生前】萎凋病(いちょうびょう)の防除・予防対策
- 無農薬で出来る予防法
- 農薬を使う予防法
病気が発生する前に出来る「無農薬で出来る要望策」「農薬を使った予防策」を紹介します。
(無農薬)防除・予防方法
- 土づくり(PHを調整)
- 萎凋病に対抗性がある品種を選ぶ
- 連作しない
- コンパニオンプランツを使う
土づくり(肥料成分・PHを調整)
酸性土壌では病害が多く発生するため、苗の植え付け段階で、どんな野菜を育てる場合も土壌のpHが6.0~6.5になるようにチェックしましょう。
耐性のある品種を使う
萎凋病(いちょうびょう)に耐性がある苗も発売されているので、昨年発生したなどの場合は対策をするのもおすすめ。
例えばトマトは、シンディースイート、キャロルムーン、アイコ(タキイ種苗)などです。
輪作・コンパニオンプランツを使う
発生した野菜を治す事は出来ませんが、病気は異なる野菜では発生しないこともあるため、同じ野菜を同じ場所で栽培しないように連作障害対策を行い、輪作をするのも良い方法です。
連作でも発生が助長されるので輪作をして同じ科で連作にならないように注意します。
コンパニオンプランツでも対策が可能です。ホウレンソウの畝に一緒にネギを植える事で萎凋病の発生を抑制する効果があります。
(農薬)防除・予防方法
- ベンレート水和剤
ベンレート水和剤が予防としておすすめです。
【発生後】萎凋病(いちょうびょう)の治療方法と対策
- 太陽熱消毒で菌を殺す
いったん発病すると、残念ながら治療方法はありません。発病した株は、株ごと引き抜き、畑の外に持ち出して焼却処分やゴミとして処分します。
畑の中で土にすき込むと、土に菌が残り、翌年に再発したり、他の野菜に広がる原因となるため、必ず外に持ち出します。
萎凋病の菌は太陽熱の高温で死滅するため、「太陽熱消毒」は家庭でできる有効な方法です。ただし、土の温度が十分に上がる夏にしか行えないので注意が必要です。
発生した場所に次に野菜を植える際には、再発を防止するための対策を講じましょう。
(農薬)治療方法
- 農薬でも治療方法は無い
発生してしまった場合は農薬で治療は出来ません。
ベンレートなどの農薬を使って予防をしましょう。