野菜の病害虫

黒斑病(こくはんびょう)の被害と予防・治療方法

黒斑病(こくはんびょう)の被害と対策

家庭菜園で出来る黒斑病の簡単な対策と駆除の仕方を学びます。

この記事でわかる事

  • 黒斑病が発生する原因
  • 黒斑病の予防方法
  • 黒斑病の治療方法

ポイント

黒斑病は収穫後のじゃがいもやサツマイモに発生するので、収穫時にはわからない事も。
発生後の治療は出来ないので、事前に種いもを消毒するなど予防が大切です。
農薬での予防はダニコールがが効果的。

黒斑病の被害状況と発生する原因

黒斑病のサツマイモ
サツマイモの黒斑病
黒斑病のサツマイモ
サツマイモの黒斑病
ネギの黒斑病
ネギの黒斑病

発生する時期と気温

  • 気温:24~27度
  • 時期:5月~11月頃

黒斑病の症状と原因

  • はじめは白い斑点ができ、そこから楕円形の丸に変化していく
  • やがて黒く変化していき、最終的に株が枯れる
  • 土の中にいるカビ菌が原因

野菜によって違い、ネギは上記のような症状が出ます。

オクラは栽培時には影響が出ませんが、収穫した後の実に黒色の小斑点が生じ、症状がひどいと内部まで入ります。

サツマイモは収穫時に特に問題が無くても、保存している間に発生する事が多く、実が黒く変色します。

黒斑病に感染した野菜は食べるのを控えた方が良いです。

黒斑病の原因はカビ菌です。カビ菌が葉の裏表にある気孔から侵入し症状が発生し、残渣をすき込んだ時に残っている菌が翌年まで越冬することで発症することもあります。

風や振動によってカビが空気中を漂い、他の植物に感染が拡大します。

黒斑病の被害が出る野菜

こんな野菜に黒斑病は発生しやすいです。

果菜類

葉菜類

黒斑病の防除・予防対策

防除・予防の2パターン

  • 無農薬で出来る予防法
  • 農薬を使う予防法

【無農薬】防除・予防方法

無農薬で予防する

  • 水はけと泥はね対策(畝高にする・マルチをする)
  • 土づくり肥料成分・PHを調整)
  • 密植をさけて風通しを良くする
  • 種芋を感染されていない物を使う(サツマイモ)
  • 輪作する

水はけと泥はね対策

マルチング
マルチシート
団粒構造
土に細菌がいる

大雨などで水はねした土に細菌が含まれていることがあります。これらの細菌は、作物の傷などから侵入して発病することもあります。したがって、頭上から水をやるのではなく、株元に水を与えましょう。

水はねを防ぐためには、マルチシートの使用が効果的です。

土づくり肥料成分・PHを調整)

シンワ測定(Shinwa Sokutei) 土壌酸度計 A
土壌酸度計

また、窒素が過剰に溶け出す心配のない肥料を使うことをおすすめします。

マイガーデンベジフルは、窒素成分が多くないため、家庭菜園でおすすめの追肥としても使える肥料です。

酸性土壌では病害が多く発生するため、苗の植え付け段階で、どんな野菜を育てる場合も土壌のpHが6.0~6.5になるようにチェックしましょう。

密植をさけて風通しを良くする

密植すると風通しが悪くなり発生しやすいので株間をしっかりとります。

各野菜は株と株の間の距離(株間)が決まっています。これを守らないと病気になりやすかったり、成長がうまくいかなかったりするので、たくさん収穫したい場合でもきちんと守りましょう。

種芋は消毒されている物を使う

また、サツマイモの栽培では種芋を用いる場合しっかりと消毒をした健全な種芋を使う事が大切です。

主にハリガネムシ(コメツキムシ幼虫)やコガネムシ類幼虫等の土壌害虫やネズミによる塊根の食害痕から感染する事もあるので、害虫対策も行います。

輪作をする

発生した野菜を治す事は出来ませんが、病気は異なる野菜では発生しないこともあるため、同じ野菜を同じ場所で栽培しないように連作障害対策を行い、輪作をするのも良い方法です。

サツマイモ以外のトウモロコシなどイネ科の野菜を輪作して、1~2年栽培間隔をあける事も効果的です。

【農薬】防除・予防方法

農薬で予防する

  • ダニコール1000

農薬は、同じ病気や害虫に対しても、使用できる野菜の種類が決まっています。そのため、野菜ごとに使用する農薬を分ける必要があります。
農薬を購入・使用する前に適用作物を確認し、その作物に適した薬剤を選びましょう。農薬は劇薬であるため、子供の手の届かない場所に保管してください。

STダニコール1000が予防効果があるので、発生する前に散布しましょう。

黒斑病の治療方法と発生後の対策

発生した場合の対処法

  • 農薬でも治療方法は無い

発生後の対策

発生後の対策

  • 対策がない

いったん発病すると、残念ながら治療方法はありません。発病した株は、株ごと引き抜き、畑の外に持ち出して焼却処分やゴミとして処分します。

畑の中で土にすき込むと、土に菌が残り、翌年に再発したり、他の野菜に広がる原因となるため、必ず外に持ち出します。

予防効果がある農薬があるので、予防を徹底する、種いもの殺菌消毒を行うことを守りましょう。

この記事の画像はマロ頭 ありがとう推し武道(@maro0327)さん、まこちんbot👺「鱒以外の魚が食いたいボク(福山雅治)」(@makodi1971)さんからご提供いただきました。
ご協力ありがとうございます。

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