- 無農薬での病害虫駆除の方法
- 11種類の無農薬スプレーの作り方
- 無農薬スプレーの効果と注意事項
家庭菜園で害虫や病気を予防できるスプレーは自作する事が出来ます。
農薬と違って効果は薄く継続して散布するのが必須ですが安心安全です。
原液を作ってスプレーで散布するのがおすすめで「ストチュウ+α」が最も効果が高いです。
そこで、無農薬栽培で有名な福田俊さんにも許可をいただき、家にある材料で害虫や病気に効果のある無農薬スプレーを作る方法を解説!
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無農薬スプレーの効果と散布頻度
最初にお伝えしておきますが、自然派スプレーは市販の農薬や病害虫駆除剤ほど即効性のある効果は期待できません。
実際に私も使用していますが、自然派スプレーの効果としては、「野菜の病気が進行したり、被害が拡大した状態での回復は難しい」一方で、「通常より被害が軽減される」という程度のものです。
ただし、「害虫の飛来予防」や「野菜の病気の極初期段階での回復や予防」には一定の効果が見られます。
例えば、害虫が唐辛子やお酒の臭いを嫌がり一時的に遠ざかることもありますが、効果が薄れると再び寄ってくることがあり、農薬のような劇的な効果は期待できません。
また、効果を持続させるには、農薬とは異なり「週に2~3回の定期的な散布」が必要です。したがって、農薬や殺菌スプレーのように一度散布すれば安心というわけではなく、散布を忘れてしまうと効果が薄れ、被害が広がる可能性があります。
私が推奨する手作り無農薬スプレーの使用方法は、「予防的に継続して使うこと」、そして「被害が酷い場合には農薬や殺菌スプレーを併用する」というものです。
ただし、すぐに農薬に頼らなくても、「行燈(あんどん)」「マルチ」「トンネル栽培」「コンパニオンプランツ」「土づくり」などの農薬を使わない対策を組み合わせることで病害虫の被害を抑えることが可能です。
もし即効性のある殺菌・殺虫効果を求めるなら、「ベニカXファインスプレー」がおすすめです。これは1本でさまざまな病害虫に対応でき、家庭菜園で手軽に使用できる便利な殺菌殺虫スプレーです。
無農薬スプレーのメリット
- 家にある材料で作れるから無農薬で安心
- 低コストで作れる
- 土づくりにも効果があるスプレーがある
- 益虫を殺さないメリットがある
無農薬スプレーのメリットは、家にある食品(酢・牛乳・唐辛子・ニンニク・焼酎など)を使って、安心・安全な材料で作れる点です。
市販の農薬や殺菌スプレーを購入するよりも、圧倒的に低コストで作成できます。
さらに、木酢液を使ったスプレーの場合、木酢液には土中の微生物を増やす効果があり、野菜の苗にスプレーした際に土に木酢液が落ちると、同時に土壌改良にもつながるという副次的な効果があります。
一方、市販の農薬や殺菌スプレーには、野菜の受粉を助ける蜂などの益虫も殺してしまうデメリットがあります。
しかし、自然派スプレーは害虫を殺すのではなく忌避する効果があるため、畑全体の環境を大切にしながら使用できるというメリットもあります。
無農薬スプレー作成時・使用時の注意点
- 希釈倍率を守る
- マスク・手袋・ゴーグルを着用を推奨
- 冷暗所で保管
- 子供の手の届かない場所に保管
- 名称と作成日を記載
無農薬スプレーを作成・使用する際は、注意点を守って安全に利用しましょう。
倍率が高すぎると、作物に悪影響を及ぼす場合もありますので、適切な濃度で使用することが重要です。また、目に入ると痛みを伴う可能性があるため、特にお子様と一緒に家庭菜園をしている際にはご注意ください。
焼酎や酢を使用したスプレーは長期保存が可能ですが、誤飲の危険を防ぐため、ラベルをしっかりと記載し、お子様の手の届かない冷暗所に保管してください。
病害虫効果一覧!自然派無農薬スプレー11種類
- タバスコスプレー
- コーヒースプレー
- 石鹸スプレー
- 牛乳スプレー
- 木酢液スプレー
- 重曹スプレー
- 酢スプレー
- 唐辛子焼酎
- 唐辛子焼酎
- 唐辛子酢
- 除虫菊エキス
- ストチュウ+α
上の7種類のスプレーは「ハンドボトルのスプレーで1本分作ってそのまますぐに散布できるタイプ」です。
原液は希釈用の原液を作り、「スプレーボトル・ジョウロ・噴霧器に入れて水で希釈して散布するタイプ」です。
私のおすすめは色々な病害虫に効果がある「ストチュウ+α」です。各スプレークリックすると該当箇所までジャンプします。
ここで紹介する無農薬スプレーは、無農薬栽培で有名な福田俊さんが紹介していて、当ブログでは福田さんより許可を頂き各スプレーの作り方を紹介してます。
動画は+をクリック
福田さんの動画はここをクリック
タバスコスプレー
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- タバスコ・・・50ml
- 水・・・500ml
- 2~3日に1回野菜苗に直接スプレー
- 直接害虫がいる箇所にかけてOK
タバスコスプレーの作り方はここをクリック
ガーゼで濾さないと唐辛子が詰まる原因になります。面倒ですがやりましょう。野菜苗にかけておけば害虫予防にも。
コーヒースプレー
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 石鹸(無香料)・・・3g
- インスタントコーヒー・・・15g
- 水・・・500ml
- 晴れた日にやるとすぐ乾いて効果的
- 直接害虫がいる箇所にかけてOK
コーヒースプレーの作り方はここをクリック
洗剤ではなく石鹸で。石鹸は香料の入っていないものを使いましょう。液体タイプでも固形タイプでもOK。
石鹸スプレー
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 石鹸(無香料)・・・3g
- 植物性油・・・5ml
- 水・・・500ml
- 晴れた日にやるとすぐ乾いて効果的
- 直接害虫がいる箇所にかけてOK
石鹸スプレーの作り方はここをクリック
石鹸は洗剤ではなく香料の入っていないものを使います。液体タイプでも固形タイプでもOK。分離するようであれば石鹸を増やします。
牛乳スプレー
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 水・・・250ml
- 牛乳・・・250ml
- 弱っている苗、葉や茎に直接かける
- 牛乳をかけた後は2時間ほどしてから水で洗い流す
- 晴れた日にやるとすぐ乾いて効果的
牛乳スプレーの作り方はここをクリック
牛乳スプレーはニオイが発生するのでしっかり洗い流すことが大切。腐敗した牛乳は作物の成長を妨げる事に。真夏は臭いも発生しやすいので、近所迷惑にならない・室内ではかけないなど条件を満たして出来る場合にオススメ。プランターは匂いが出るのでやめましょう。
木酢液スプレー
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 木酢液・・・1ml
- 水・・・500ml
- 木酢液を500倍に薄める
- 1週間に1度スプレーする
- 野菜の葉・茎など全体に直接かける
- 晴れた日にやるとすぐ乾いて効果的
木酢液スプレーの作り方はここをクリック
木酢液は野菜の生育促進のほかにも土づくりに役立ちます。土の中の微生物を増やして土壌環境を改善する効果があるので、土にスプレーしてあげても良いです。
重曹スプレー
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 重曹・・・13g
- 植物性油・・・16ml
- 水・・・500ml
- 野菜苗に直接スプレー
- 牛乳をかけた後は2時間ほどしてから水で洗い流す
- 晴れた日にやるとすぐ乾いて効果的
重曹スプレーの作り方はここをクリック
家庭にあるもので手軽にできて便利ですが、葉の色が黒く変色する事もあります。必ず洗い流しましょう。
酢スプレー
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 酢・・・1ml
- 水・・・300ml
- 米ぬか・・・適量
- 野菜苗に直接スプレーする
- そのうえ時からパラパラと葉に直接米ぬかをかける
- 症状が無くても周辺の葉に酢スプレーだけしておく(予防)
酢スプレーの作り方はここをクリック
極初期のうどん粉病対策では水500mlに1gの重曹を溶かして葉にスプレーして放置しましょう。洗い流す必要はありません。
唐辛子焼酎【原液】
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 1本物の唐辛子・・・20本程
- 焼酎(35度)・・・500ml
- 2~3日に1回野菜苗に直接スプレー
- 直接害虫がいる箇所にかけてOK
- 野菜収穫の3~4日前からは使用をやめる
希釈倍率
500倍・・・水1,000ml(1リットル)に原液2ml
(スポイトで量る/ペットボトルの蓋3分の1弱が2ml【1杯で約7ml】)
唐辛子焼酎(原液)の作り方はここをクリック
ハダニなど葉の裏までしっかりとかけましょう。焼酎はホワイトリカーなど安価な物で十分。効果があまり無いようであれば200倍くらいの濃さまで濃度を上げて様子を見ます。
唐辛子酢【原液】
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 1本物の唐辛子・・・20本程
- 酢・・・500ml
- 2~3日に1回野菜苗に直接スプレー
- 直接害虫がいる箇所にかけてOK
- 野菜収穫の3~4日前からは使用をやめる
希釈倍率
500倍・・・水1,000ml(1リットル)に原液2ml
(スポイトで量る/ペットボトルの蓋3分の1弱が2ml【1杯で約7ml】)
唐辛子酢(原液)の作り方はここをクリック
酢は穀物酢・りんご酢など合成酢以外を使います。一緒にニンニクを入れるというのもおすすめです。使い方は唐辛子焼酎と同じです。
除虫菊エキス【原液】
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 除虫菊パウダー・・・20g
- 焼酎(35度)・・・250ml
- 2~3日に1回野菜苗に直接スプレー
- 植え付け間もない苗は50倍では無く100倍に薄める
希釈倍率
50倍・・・水1,000ml(1リットル)に原液20ml
(スポイトで量る/ペットボトルの蓋3杯が21ml【1杯で約7ml】)
除虫菊エキス(原液)の作り方はここをクリック
除虫菊パウダーは自作も可能です。除虫菊の花を集めてカラカラになるまで干して、ミキサーでパウダー状にします。蚊取り線香の材料なので、天然成分を使っている蚊取り線香の場合は残りカスでもOK。成分が薄くなりやすいので一度に大量に作らず少しずつ作りましょう。
病害虫予防に最強の「ストチュウ+α」原液
アブラムシ | ハダニ | カメムシ | ウリハムシ | テントウダマシ |
アワノメイガ | ネキリムシ | ヨトウムシ | アオムシ | 野菜生育促進 |
- 酢・・・50ml
- 焼酎・・・50ml
- 木酢液・・・50ml
- タバスコ・・・7~8滴(唐辛子10本程でも代用可能)
- ニンニク・・・4欠片
- 2~3日に1回野菜苗に直接スプレー
- 野菜の葉の裏まで全体にかける
希釈倍率
500倍・・・水1,000ml(1リットル)に原液2ml
(スポイトで量る/ペットボトルの蓋3分の1弱が2ml【1杯で約7ml】)
「ストチュウ+α」原液の作り方はここをクリック
使いすぎると野菜の天敵も近寄らなくなるので頻度は守りましょう。タバスコではなく唐辛子を使う場合は1ヶ月程冷暗所で放置してエキスを抽出しましょう。時間を置くならにんにくは丸ごと皮だけむいて入れてもOK。ストチュウとは「酢」と「焼酎」をあわせた「ス」と「チュウ」の造語で、今回のは唐辛子・ニンニク・木酢液を入れているので+αとしています。
希釈倍率が一目でわかる超便利な道具がある
ここで作ったストチュウなどは原液のままなので、使用時には希釈倍率を計算し、スポイトで必要な量を量り取ってから水で薄める必要があります。
しかし、この希釈倍率が非常に分かりにくく、忘れやすいんですよ。
ストチュウだけを使う場合は、ボトルに希釈倍率を書いておけば、毎回同じ手順で使用できます。
ただ、実際には、葉の裏側までしっかり噴霧したいときに4リットルの噴霧器を使用したり、作業の手間を省くために10リットルのジョウロで水やりの際に混ぜて使ったりするので、使用する水量が異なることが多く、原液の量を変えると混乱しやすくなります。
さらに、薄める容器が異なるだけでなく、トマトトーンや農薬、液肥などもそれぞれ異なる倍率で希釈する必要があるため、ますます混乱してしまうこともあります。
そこで、私が発見したのが、『希釈する原液を入れるだけで倍率が一目で分かる』という非常に便利なカップです。
3~10 リットルまでの水量に対応、希釈倍率は50倍・100倍・200倍・300倍・500倍・1,000倍・2,000倍の7パターンに対応しています。
家庭菜園で使うジョウロや小型噴霧器は、じょうろは大きくても10リットルが多く、噴霧器は5リットル前後までが多いと思います。
水量が多い分には2回に分けて入れればよくカバーできます。例えば、20リットルで100倍希釈で使いたいなら、20リットル分の水を入れて10リットルの100倍希釈のメモリを2回分入れれば問題なし。
デメリットとしては手持ちの小型スプレーで使う場合は500~800ml程のスプレーが多いので使えませんが、小型の場合は作りっぱなしで1シーズンを終える事が多いと思います。
この場合は1回しか作らない事が多く問題にならない、もしくは1回量れば良いだけで希釈計算が煩わしいという事は無いでしょう。
厚手のプラスチックで一生使えますし、高いわけではないので1個持っておくと本当に便利。
私みたいに色々やるとわからなくなる人は是非1つ買ってみてください。考える事は「希釈倍率が何倍か」「入れる容器の水の量」だけになり、メモリ見て入れるだけなので本当に何も考えなくても正しく希釈できます。
原液タイプなら噴霧器で広範囲に散布可能!
- 手持ちスプレー・・・プランターや栽培スペースが狭いなら簡単で便利
- 小型噴霧器・・・スプレーする範囲が広い場合、葉の両面にも万遍なく噴霧できて便利
- ジョウロ・・・水を与える時に一緒に入れてしまえば簡単、葉の裏にはかからない
3〜10リットルの水量に対応し、希釈倍率は50倍、100倍、200倍、300倍、500倍、1,000倍、2,000倍の7パターンに対応しています。
家庭菜園で使うジョウロや小型噴霧器の容量は、ジョウロで最大10リットル、小型噴霧器で5リットル前後のものが多いようです。
水量が多すぎる場合は2回に分けて入れると、簡単に対応できます。たとえば、20リットルで100倍希釈を行いたい場合、20リットルの水に対して10リットル用の100倍希釈のメモリを2回分使えば問題ありません。
デメリットとして、小型のスプレーを使う場合、500〜800ml程度の容量のものが多いため、対応が難しい場合があります。ただし、小型のスプレーでは1回分の希釈液を作って1シーズン使い切ることが多いため、実際には問題とならないことがほとんどです。
この製品は厚手のプラスチック製で、長く使うことができます。また、価格も手頃なので、1つ持っておくと非常に便利です。
私のように希釈の管理が煩雑になりがちな方は、ぜひ1つ購入を検討してみてください。「希釈倍率」と「容器の水量」さえ決まれば、メモリを確認して希釈液を作るだけなので、正確に簡単に作れます。
まとめ
- 天然無農薬スプレーは効果は軽く定期的に散布が必要
- 噴霧するのは小型噴霧器が簡単で疲れない
- おすすめは病害虫に万能な「ストチュウ+α」の原液
家庭菜園で使える自然無農薬スプレーの作り方を紹介しました。
家庭で簡単に手に入る食品など安全な材料で作れて安心です。
定期的な散布の手間はありますが農薬に近い効果があるので是非取り入れてみてください。