- 行灯(あんどん)のやり方
- 行灯(あんどん)をする理由・効果・代用方法
- いつ行灯(あんどん)を外せばよいか
「四角くビニールで囲んでいる状態」を行灯(あんどん)といいます。
家庭菜園ではメリットが多い非常におすすめの方法です。
行灯(あんどん)すると初期成育が良くなり、結果的に苗が大きく育ち収穫量もUPします。
野菜の苗をビニールで囲う行灯(あんどん)!理由と効果!
- 防寒・・・苗の成長促進
- 防風・・・苗を守る
- 防虫・・・苗の被害を防ぐ
行灯(あんどん)は見た感じただの筒ですが、色々な効果があります!
あれはやる意味があるのか?どうやるんだろう?と思っているあなたにも詳しく紹介します。
防寒で苗の成長促進
行灯(あんどん)で植え付けたばかりの苗を囲むのは、まだ少し肌寒い春に夏野菜の苗を植えるからです。
植え付けするのが3月~5月はまだ野菜にとっては少し肌寒いのでこの時期に暖かくヌクヌクと育ててあげる事によって苗が大きく成長します。
初期成育が上手くいくと野菜は大きく成長し、収穫できる実も多くなります。
防風で苗を守る
行灯(あんどん)で苗を囲むと風から苗を守る効果もあります。
3月~5月は地域によりますが風が強い時期でもあります。苗が幼く弱い時期は風で苗が煽られると折れてしまったり、揺れる事でストレスを感じて苗が病気になりやすかったり生育が遅くなったりします。
植え付け時に仮支柱をしますが、それだけだと風が吹くと苗が揺れてしまうんですよね。
仮支柱を立てる+行灯(あんどん)をするとより野菜にとってストレスの無い安全な環境で栽培できます。赤ちゃんは優しく育てますが同じような感じです。
防虫で苗の被害を防ぐ
行灯(あんどん)は防虫ネットでトンネルする事よりも効果は薄いですが、防虫の効果があります。
代表的なのがウリハムシの被害を防げる事です。ウリハムシは真横に飛ぶので、苗がビニールで覆ってあると上から侵入するのは難しく入ってくることが出来ません。
ただし、完全に防げるわけではありませんが苗の被害が少なくなるのは間違えないです。
苗が小さい時に害虫の被害を受けると、ただでさえ少ない葉がやられてしまい光合成が必要な葉がさらに少なくなりその後の成長に支障をきたします。
虫の被害は、コンパニオンプランツ・自然スプレー・マルチなどと併用すると効果が高いです。
使うビニールの種類は透明なビニール!堆肥袋が最適!
- 色・・・透明
- サイズ・・・45L以上、10Lの土袋などは小さい
- 厚さ・・・家庭用は薄い、堆肥袋が良い
行灯(あんどん)はビニールの袋を上下カットして「四角い筒」にビニールをして被せる方法です。使うビニールは、家庭用の45L以上の透明ビニールでもかまいませんが、色は透明な物を選ぶようにしましょう。
内側が黒くなっている土の袋などもありますが、光を通さず野菜の苗の生育が悪くなるので袋の内側の色に注意しましょう。
おすすめの袋は「サイズが大きい45L位の少し大きい厚手の堆肥などが入っている袋」です。
家庭用のビニールでも問題ありませんが薄いのでバサバサしやすく破れやすいので扱いにくいですし使い捨てになってしまいます。
サイズも小さい10L位の土の入っているビニールだと小さくてすぐに苗が成長して飛び出てしまいます。
野菜の苗を囲う為の専用のビニールも売っていますがわざわざ購入する必要もありません。
堆肥や土の入っている厚手のビニールが最も作りやすく何年も使えるので毎年堆肥を撒く時に捨てずに取っておくと良いです。
行灯(あんどん)栽培におすすめの野菜は果菜類などの苗全般!
行灯(あんどん)で囲うのは「種」から栽培する場合ではなく「苗」を植え付ける時にします。
例えば、葉物野菜であるほうれん草や小松菜などは種から育てるので行灯(あんどん)はしませんが虫に葉を食べられると収穫できないので植え付けの時から防虫ネットをトンネルを作って張ります。
ナス、トマト・ミニトマト、きゅうり、ピーマン・パプリカ・ししとう、スイカ、ズッキーニ、かぼちゃ、ブロッコリーなど春に植える夏野菜の苗は全部に行灯(あんどん)をして大丈夫。
【動画あり】野菜の行灯(あんどん)仕立ての方法!
行灯(あんどん)の作り方の手順
画像は+をクリック
行灯(あんどん)の手順(画像)はここをクリック
必要な材料
- 支柱・・・4本(長さ60㎝以上位が作りやすい)
- 厚手のビニール袋・・・1枚(40L位の堆肥や土の袋)
ビニールの上下の閉じてあるところをハサミでカットします。
1枚の大きな筒になります。
袋の幅にあわせた支柱を2本入れる。
対角線に袋の幅にあわせた支柱を2本入れる。
袋を支柱に被せる。
苗が真ん中に来るように支柱を刺しなおして調整。
回数が少ないほうがマルチに穴が減ります。
動画は+をクリック
行灯(あんどん)の手順(動画)はここをクリック
野菜苗の囲い(行灯)はいつまでですれば良い?
行灯(あんどん)仕立てを外すタイミングは地域にもよりますが5月半ば~6月半ばの風がおさまってきて気温が暖かくなってくるまでです。
大体植え付けから1ヶ月~1ヶ月半が目安になります。
例えば、45Lの肥料の袋から成長して顔を出したミニトマトはもう支柱をしないといけないyタイミングだし、きゅうりの苗は高さは出ませんが中でかなり大きくなって仮支柱にツルが絡んでいるはずなので、支柱を立ててネットを張らないといけません。
ズッキーニは横に広がるので袋内でかなり窮屈に上に育っているはずなので、1本の長い支柱を立ててあげましょう。
外さないといけない時期に決まりはないので「袋の大きさに対して野菜があまりに窮屈だ!」と思ったら外してあげましょう。
そのタイミングで支柱を立てないといけない、ネットを張らないといけないという時期になっています。
野菜の苗を囲って保温する色々な方法がある!
菜の苗を保温・防風する方法は行灯(あんどん)以外にも色々あります。
家庭菜園でできる2つの方法を紹介します。
野菜ホットキャップ
- 簡単に設置できる
- 壊れない限りずっと使える
- 買う費用が掛かる
- 高さがあまり出ないので長くは使えない
ホットキャップ等の名称で苗を保護するプラスチックのカップがホームセンターなどでも売っています。苗を植え付けたときに一緒に設置して、ポット一杯に苗が成長したら外してあげて支柱を立てるやり方です。
購入に費用は掛かりますが苗の本数が少ない場合などは、簡単に設置できて便利です。
苗の数が多いとコストもかかるので、行灯(あんどん)の方が低コスト・苗が結構大きくなるまで設置できるなどの違いがあります。
ビニールでトンネル
- 広い範囲を一度でできる
- その後の作業の手間が減る
- 資材を揃える費用がかかる
- 設置は少し大変
ピーマンやナスなどを畝(うね)で何本も植えている場合はビニールでトンネルを作ってしまう方法もあります。
行灯(あんどん)と同じ効果を畝(うね)単位でできるので便利です。
ピーマンやナスはビニールを外してもそのままトンネル支柱を使ってマイカ線やビニール線を張って支柱代わりにする栽培方法があります。
もし、トンネル栽培をしたいなという人にとっては1苗ずつ行灯(あんどん)を作って、外してトンネルをするという手間が省けて1度に作業を出来るメリットがあります。
逆に、トマト・ズッキーニ・きゅうりなどは外した後に支柱やネットを張らないといけないのでビニールトンネルで覆ってもそのままは使えないので栽培する本数によりますよね。
農家の用に20本くらいの苗を畝で育てているんですというなら1本ずつ行灯(あんどん)で作るより、トンネル作ってしまう方が楽という意見もありそうですが家庭菜園ではトマトやきゅうりをそんな本数を育てる事は稀でしょう。
トンネルする手間を考えると、野菜の種類や育てる本数にもよりますが苗の本数が少ない家庭菜園では行灯(あんどん)の方が便利な事が多いです。