太陽熱消毒処理を畑で行う方法

太陽光熱処理のやり方

 

家庭菜園で出来る太陽熱土壌消毒のやり方を紹介します。

病気や害虫が毎年発生して困っている方にオススメの方法です。

畑に病気や害虫が発生した土はそのまま次の野菜の植え付けを行うと菌や幼虫が残っていて、また被害が発生する事が考えられます。

そこで、太陽光の熱で畑を消毒することで農薬を使わないで土壌の病害虫を殺菌する方法を紹介します。

家庭菜園でも手軽にできて、有機栽培をしている人におすすめです。

ここで学べる事

  • 病気、害虫、雑草の予防方法
  • 太陽熱土壌消毒のやり方
  • プランターや畑どちらでも使える太陽熱消毒の方法
太陽光消毒は家庭菜園でもできる便利な方法です!

 

太陽熱処理・太陽熱土壌消毒とは?

太陽熱処理のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 畑の中の病原菌、害虫のさなぎ・卵・幼虫、雑草が死滅する
  • 太陽光を使うので農薬を使わず自然に優しい
  • 畑の状態をリセットできるので一からやり直しができる

デメリット

  • 消毒作業から植え付けまで1か月待たなければいけない
  • 気温が高く太陽光を期待できる夏の時期にしかできない

 

太陽熱処理・太陽熱土壌消毒とは太陽光の力を使って土の中の病原菌や虫を殺菌する方法です。

農薬を使うことなく土の状態をリセットできるので家庭菜園で毎年病気や虫に困っている方におすすめの方法です。

病気の発生する原因となるカビ菌や、害虫が越冬するなど土の中に潜んでいるので太陽光熱で殺菌します。

 

太陽熱処理でどんな菌を死滅できる?

太陽熱処理ですべての菌や幼虫を殺菌できるわけではありませんが、大抵の菌や雑草の種は死滅します。

効果があるといわれている菌や害虫の例です。

キスジノミハムシ、カブラヤガ(ネキリムシ)、カブラハバチ、ヨトウ類、ハモグリバエ類、センチュウ類(ネコブセンチュウ、根腐れセンチュウ等)

エンドウ立ち枯れ病、ナス半身萎凋病、ナス半枯れ病、ホウレンソウ苗立枯れ病、ウリ類つる割れ病、イチゴ萎黄病、トマト青枯れ病、根こぶ病 など。

 

太陽熱処理は連作障害にも効果がある!

被害野菜の栽培で困るのが連作障害です。

連作障害は同じ野菜を同じ場所で続けて育てる事で病害虫が発生し病気などにかかりやすくなる事です。

これは、土の中の菌に偏りが発生するなどによって起こるので、土壌の菌を死滅させる太陽熱処理は連作障害にも効果がある方法です。

 

太陽熱処理はいつできる?

梅雨明け(7月中・下旬)~9月上旬の夏で一番気温が上がるときに実施します。

太陽熱処理は簡単に言うと、透明マルチを張って土の温度を上昇させて菌を死滅する方法です。

気温が高い夏の時期でないとできません。

 

太陽熱処理の温度と植え付けまでどれくらいかかる?

太陽熱処理は地温をどれだけ上げられるかがポイントです。

太陽熱処理の温度と植え付け

  • 地中の温度を60度以上に保つ
  • 3週間行い熱消毒を行い、植え付けは1週間後から行う

太陽熱処理で死滅させる菌は地温が60度を超すかどうかがポイントです。

家庭菜園で問題になる菌や害虫などは60度を超えればほどんどが死滅するので温度をしっかり上げます。

3週間ほどの期間が必要で、地温がその後下がるまで1週間。

全部で1か月は時間が必要なので夏野菜から春冬野菜に移行する時期に実施するのがベストです。

 

(動画あり)太陽熱処理の路地栽培でのやり方!

耕す家庭菜園で出来る太陽熱処理のやり方を紹介します。

step
1
元肥施肥、石灰調整、堆肥施肥

一番初めに、次に育てる作物の準備の土づくりをします。

理由は太陽熱処理は土の深い所(30㎝)より深い土には効果が半減してしまうので、熱処理後に再度耕すと死ななかった菌などが地表に現れ効果が半減してしまうためです。

酸度はpH6.0~6.5を守り、元肥は有機物肥料(鶏糞、米ぬか、ぼかし肥など)を使うのがおすすめです。

20~25cm程度耕します。

step
2
畝立て

先に畝立てをするのはステップ1と同じ理由です。

次に育てる作物にあわせたサイズの畝を立てます。

step
3
かん水(畝に水をまき土に十分水を含ませる)

病原菌が湿度が高いと弱りやすく、地温の上昇と蓄熱に役立つので水をたっぷり与えます

ちょっと与えすぎかなと思うくらいしっかりと畝を水で湿らせます。

step
4
透明マルチをする

黒色マルチが一般的ですが、地温上昇効果が一番高いのは透明マルチです。

透明マルチをぴったりと畝に沿わせて張ります。

マルチは再利用する物でも問題ありませんが穴の開いていない物を使い、畝を平らにしてぴったりさせることがポイントです。

温度に不安がある場合は、更にトンネルをしてビニールを張ればより地温が上がります。

農家ではハウスの中で行いますが、家庭菜園でミニハウスを作る感じです。

step
5
3週間放置

長ければ長いほど殺菌効果が強くなるので、最低3週間~4週間放置します。

気温がしっかり上がっている季節に行うことが大切です。

畝上の地面から30cmの深さが40℃になっていれば成功なので、昼間に温度計を刺して地温を測定するのがおすすめ。

開始後、1週間しても温度が30℃を超えない場合は、温度が足りません。

水不足・有機物不足・天候不良の可能性が高いので見直しをしましょう。

step
6
透明マルチをはがして1週間待つ

地温が下がるまで1週間ほど待ちます。

step
7
そのまま植え付け

そのまま耕さないで苗の植え付けをしましょう。

耕してしまうと深い所にいる菌が死滅しておらず地表に現れ効果が薄くなることが考えられます。

ステップ1で最初に準備をするのがポイントです。

 

プランター栽培での太陽熱処理のやり方!

プランターの土も太陽熱処理することで次に栽培する時に、殺菌した土と肥料を混ぜあわせる事で再利用できます。

実施する時期は、露地栽培と同じで夏ですがマルチではなく透明のゴミ袋で行うことがポイントです。

step
1
プランター栽培で使った土から植物残渣を取り除く

プランターの残渣を取り除く時に、ふるいで植物の根や残渣までしっかりと取り除きましょう。

step
2
透明なゴミ袋に土を入れる

黒いゴミ袋より透明なゴミ袋が温度が上がりますので色に注意します。

step
3
ジョウロなどで水を入れて土を湿らせる

ゴミ袋の中に土を入れてしっかりと湿らせることがポイント。

step
4
口を縛って日光の当たる場所に3週間以上放置する

夏の時期に3週間以上、ゴミ袋をしっかり密閉して放置しておきます。

ゴミ袋内の温度が上がって菌などが死滅します。

step
5
肥料と混ぜて使う

このままではただの土なので、野菜を育てる土にするために植え付け前に色々と混ぜる必要があります。

売っているプランターの土はすでに肥料などが施されていますが、一度野菜を育てると成分が吸収され使われてしまうためです。

土壌改良剤、PH調整、元肥を混ぜて植え付けできる土に再生します。

 

太陽熱処理のまとめ

家庭菜園で出来る太陽熱処理の方法いかがでしたか。

病害虫がいつも発生して困っている場所でやってみるのがおすすめです。

すくすくとうまく野菜が育つようになったら成功したと思っていいですね。

美味しい野菜を作るには土づくりが一番大切!

2020年12月10日