- ビニールハウスの日々のメンテナンス
- ビニールやパイプの補修方法
- ビニールハウスの耐用年数
ビニールハウスは建てて終わりではなく、栽培しながらメンテナンスを日々しないといけません。
チェックしないといけない項目とフィルムやパイプの補修方法を紹介します。
簡単にビニールの破れもテープで張り付けて補修ができます!
ビニールハウスの日々のメンテナンス
- ビニールの掃除と汚れを落とす
- サビを落とす・錆止めペンキを塗る
- ハウスバンドの破れがないか
- ネジやクサビが締まっているか
- ビニールの張替や補修をする
ビニールハウスはメンテナンスをしないと基本的な寿命よりハウス全体が早く寿命を迎えたり、ビニールが早く張り替えるないといけない状態に傷んだりするので毎日少しずつメンテナンスをして大切に使うと良いです。
ビニールの掃除と汚れの落とし方
ビニールの種類 | 新品の透過率 | 3年後透過率(掃除なし) | 3年後透過率(掃除あり) |
---|---|---|---|
POフィルム | 90% | 72% | 79% |
農ビ | 90% | 53% | 72% |
ビニールは清掃しないと日光の透過率が下がり野菜に光が十分当たらないので光合成が出来ずに生育阻害の原因になります。
実験結果で掃除をせず塵や埃がついた場合の透過率が20~30%下がる実験結果があります。
一方で掃除をするとビニールの劣化分の減少はあるが、10~20%程に透過率の低下が抑えられるので掃除をした方が良い事がわかります。
ビニールの掃除は専用の道具が売っているので買うのも良いのですが安く仕上げる方法や、自然の力で清掃できる方法があります。
基本的なポイントは、特別な洗剤も売っているが特に不要で水だけで十分な事とハウスの外側だけでなく内側も清掃する事です。
自分で清掃道具を作る方法
自分で掃除用具を作る様々な方法がありますが「園芸用支柱とスチールたわし」を使って自作の掃除用具を作り掃除している人もいます。
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風の力で清掃する方法
ビニールを留めるハウスバンドの天井部分に不織布を設置しておいて風で自然に天井部分が掃除される仕組みを使っている人もいます。
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サビを落とす・錆止めのペンキを塗りなおす
パイプは長期間使っているうちに錆が発生します。錆びたパイプをそのまま使うと強度が弱いハウスになったり、ビニールを掛けた時に錆がついてしまいビニールの劣化が早まります。
そこで「ローバル」という種類のペンキを塗りなおします。
ローバルには錆止め効果もあるので、錆が発生してきたタイミングで塗りなおすと長く使えるハウスになります。ハウス栽培をやめる冬の時期などにすると良いです。
パイプの塗りなおしの手順
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必要な材料
パイプの錆を徹底的に落とす
ワイヤータワシ、サンドペーパー、ワイヤーブラシで手でゴシゴシとこすって錆を落とします。あまりに強い錆は、ディスクサンダーを使って落とします。
ホームセンターでディスクグラインダーをレンタルしているお店もあるので、先端のディスク部分だけ買えば使えます。
このさび落とし作業をしっかりと行わないとまた錆が発生したりするので、徹底的に落としましょう。
ローバルを塗るタイミングはこちらを参考にする。
布で汚れをふき取る
錆を落とした後は乾いた布で細かい汚れや錆の破片をきれいにしましょう。
塗料をよく混ぜる
缶を逆さまにしたり、割りばしでよく混ぜて下に沈む亜鉛をしっかり溶かしましょう。
やわらかいハケで塗る
ハケはニス用のハケなどが塗りやすいです。
ハケを使って全体的に1度塗ります。
乾いてから2度塗りする
ローバルは基本的に2度塗りが前提の商品です。
乾いてから塗りなおしをしましょう。
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ハウスバンドの破れがないか
ハウスバンドがちぎれていたり、しっかりと結ばれていないとビニールのバタつきを抑えられずにビニールがバタつき風であおられる原因になります。
小さい事ですがしっかりと確認しましょう。
ネジやクサビが締まっているか
ネジやクサビがしっかりと締まっていないと風でパイプが外れたりパーツが外れたりします。台風前は特にですが日頃からチェックしましょう。
ビニールの張替頻度とフィルムの種類
ビニールの張替頻度はPOフィルムという薄くて軽い高級なビニールで3年~5年程、農ビという重いけれど安いビニールが1~2年程で張替の必要があります。
ビニールを綺麗に掃除する事やパイプの錆をしっかり落す事でビニールの寿命を少し伸ばす事が出来ますが張替は必須です。
ビニールハウスの補修
ビニールハウスのビニールが少し破れた時に張替まではせずに、補修する方法やアーチパイプが錆びて腐食してきた時に補強する方法を紹介します。
ビニールが破れた時の補修の方法はテープ!
ビニールハウスが敗れた時には破れが広がらないうちに早めにビニールを補修しましょう。
専用のテープが売っているので全面的に大きく破れて使えない状態でなければ、小さい穴や小さい裂けはビニールテープで十分に補強できます。パイオランテープとして販売しています。
多くのビニールハウスで使われている「農ビ」はビニールが厚いけど裂けやすいという特徴があるので、裂け目が広がる前に早めに修理するのがポイントです。
アーチパイプの補修方法
アーチパイプの地面に挿している箇所が錆びて腐食してきているパイプがある場合に、全部のパイプを交換しなくても良さそうなら補強する方法があります。
ハウスの内側に単管パイプをさして、アーチパイプと「クロスワン
錆びると腐食しやすいので、パイプの錆を落としたり塗料を塗りなおしておく事が大切です。
ハウス本体の耐用年数と寿命
ビニールハウスの税金上の減価償却期間は10年です。ビニールハウスにも素材別に色々な種類があり、今回紹介しているようなアーチパイプで作っている一般的なハウスの場合は10年です。
ただし、これは税金上のお話なのでしっかりとパイプの塗りなおし、補強などをして20年位使っているビニールハウスもあるので寿命はパイプの太さやメンテナンス度合によるでしょう。
具体的な話は「ビニールハウスにかかる税金と補助金と保険の話(準備中)」で説明しています。
まとめ
- 日々のメンテナンスでハウスの寿命が伸びる
- 全て新品に交換しなくても補修する方法はある
- ハウスの寿命は20年使っている人もいる
ビニールハウスはメンテナンスが必要ですが錆止めなどをしっかり塗ればかなり長期で使えます。
最初に建てるコストは高いですが、メンテナンスをしっかりすれば長く使えるので年間で割るとハウス代金は家庭菜園でも回収できます。