- 根こぶ病が発生する原因
- 根こぶ病の予防方法
- 根こぶ病の治療方法
アブラナ科に発生する病気で根にコブが発生します。
キャベツや白菜は球根しなくなる事もあります。
農薬での治療と予防は石原フロンサイド粉剤が効果的。
根こぶ病の被害状況と発生する原因
- 気温:20度~25度
- 時期:5月~9月頃
- アブラナ科の植物で根に大きな塊ができる
- 生育不良になる、葉が枯れる、葉の色が薄くなる
- キャベツや白菜は球根しないなどの被害
- 土の中にいるカビ菌が原因/土の中にいる細菌が原因
根こぶ病の病原菌は、ネコブカビというカビの仲間で原因はカビ菌です。
このカビは植物の根に寄生して成長を阻害し、生育不良や葉の枯れ、葉の色が薄くなるなどの症状を引き起こします。
野菜の葉が日中に枯れ、夕方になると少し復活するような現象が見られた場合、根こぶ病を疑いましょう。
日中に葉が枯れるのは、葉からの水分蒸発に対して、根にできたこぶが十分な水を吸い上げられないためです。
キャベツや白菜は根こぶ病により結球しなくなることもあります。
この病気は非常に厄介で、カビの胞子が土壌に残留するため、同じ畑で約10年間発生し続けることがあります。まずは被害を予防すること、発生した場合には適切な処理を行いましょう。
根こぶ病とネコブセンチュウの違いと見分け方
根こぶ病・・・アブラナ科で発生、こぶが比較的大きくこぶの表面が滑らか
ネコブセンチュウ・・・アブラナ科以外でも発生、小さいこぶが多く発生
根こぶ病とネコブセンチュウの違いは、アブラナ科の野菜かどうか・こぶが大きくて表面が滑らかかどうかです。
ネコブセンチュウはセンチュウという虫が原因で、トマトやピーマンなどアブラナ科以外の作物にも発生します。
根こぶ病が発生した野菜は食べられるのか?
根こぶ病は植物の病気であり、人間には直接有害ではありません。そのため、根こぶ病に感染した植物の地上部(茎や葉、果実)は基本的に食べても問題ありません。
見た目が悪く、食べたいと思わないことも多いかもしれませんが、被害が大きくなる前に小さいうちに収穫することをおすすめします。
根こぶ病の被害が出る野菜
こんな野菜に根こぶ病は発生しやすいです。
【発生前】根こぶ病の防除・予防対策
- 無農薬で出来る予防法
- 農薬を使う予防法
病気が発生する前に出来る「無農薬で出来る要望策」「農薬を使った予防策」を紹介します。
(無農薬)防除・予防方法
- 水はけ対策(畝高にする)
- 輪作する(アブラナ科の連作を避ける)
- 対抗性の強い品種(CR)を栽培する
- おとり作物の栽培
- 道具の消毒の徹底
水はけと泥はね対策
排水性が悪い土壌ではカビの胞子が増殖しやすいので、水はけの良い土壌作りを目指します。畝を立てることで改善を図り、それでも水はけが悪い場合はバーミキュライトなどを混ぜることで土壌改良が推奨されます。
根こぶ病は酸性土壌で発生しやすいため、土壌を中性やアルカリ性に改良することが効果的です。しかし、家庭菜園ではこれが難しい場合もあります。
石灰を適量撒くことでpHを7.5以上に保つと、根こぶ病の発生が抑えられますが、アルカリ性が強すぎると野菜が育ちにくくなるため、注意が必要です。
品種を選ぶ
「CR」と種に書かれたものが根こぶ病に耐性がある品種なので購入するときにチェックしましょう。
おとり作物の栽培
おとり作物としてダイコンが使われます。根こぶ病が発生している土地でダイコンを育てることにより、ダイコンはカビ菌を吸着し、その密度を下げる役割を果たします。
ダイコンはアブラナ科に属しますが、食用の白い部分は根こぶ病にかかりにくく、白い部分から出るひげ根(側根)にカビ菌が付着します。
しかし、ひげ根(側根)ではカビ菌は増殖しません。このため、畑全体のカビ菌の密度を低下させることができるのです。
輪作をする
発生した野菜を治す事は出来ませんが、病気は異なる野菜では発生しないこともあるため、同じ野菜を同じ場所で栽培しないように連作障害対策を行い、輪作をするのも良い方法です。
家庭菜園で出来るのは輪作を行ってアブラナ科の連作をすることを避けることです。
道具の消毒をする
根こぶ病の菌は道具に付着して、発生していない土壌に持ち込まれることもあります。
土壌全体に根こぶ病が発生してしまう事にならないように根こぶ病が発生している土壌を耕した農具は菌を移動させないために洗ったほうが良いです。
鍬やスコップなど使った場合は、消毒して他の場所に持ち込まないようにしましょう。私はスプレータイプを使っています。
(農薬)防除・予防方法
- 石原フロンサイド粉剤
石原フロンサイド粉剤は家庭菜園でおすすめです。石灰と併用可能で、畑の酸度を調整しながら使うことで相乗効果があります。
野菜の生育に適したPH6.0~6.5を保ちつつ、土壌で発生した根こぶ病に対する農薬の使用も推奨されます。
根こぶ病は長期間発生しやすい病気ですので、発生した場合には農薬の使用を検討するのが良いでしょう。
【発生後】根こぶ病の治療方法と対策
- 土壌消毒(太陽光消毒)などで菌を殺す
- 治療方法は農薬を使う
いったん発病すると、残念ながら治療方法はありません。発病した株は、株ごと引き抜き、畑の外に持ち出して焼却処分やゴミとして処分します。
畑の中で土にすき込むと、土に菌が残り、翌年に再発したり、他の野菜に広がる原因となるため、必ず外に持ち出します。
根こぶ病の菌は太陽熱の高温で死滅するため、「太陽熱消毒」は家庭でできる有効な方法です。ただし、土の温度が十分に上がる夏にしか行えないので注意が必要です。
発生した場所に次に野菜を植える際には、再発を防止するための対策を講じましょう。
(農薬)治療方法
- 石原フロンサイド粉剤
根コブ病におすすめの農薬を紹介します。
石原フロンサイド粉剤が家庭菜園ではおすすめです。
予防効果もありますが、菌を殺菌する効果もあるので発生した土壌では散布がおすすめです。
この記事の画像は貞芋(@sadaimo_tare)さん、原康彦(@YasuhikoSUN)さんさんからご提供いただきました。ご協力ありがとうございます。