- 家庭菜園で出来る簡単な育苗の方法
- 育苗に必要な材料
- 「育苗・苗を買う・種を直植え」の違い
家庭菜園で自分の育てたい品種の野菜が苗で売っていない場合は育苗がおすすめ。
数か月かかるのでスケジュールを考えて苗を作らないと植え付けに間に合いません。
真冬に夏野菜の苗を育てるにはある程度設備が必要なので詳しく解説します。
育苗のメリット
- 苗がたくさん安く作れる
- 売っていない品種の苗を作れる
- 畑が埋まっていても次の野菜を育てられる
育苗は色々なメリットがありますが、家庭菜園でのメリットを解説します。
苗をたくさん安く作れる
- ポリポット・・・1苗
- 連結ポット・・・16~49苗
- セルトレイ・・・72~512苗
育苗は苗をポットやトレー単位で作りますが、同じ手間で一度に大量の苗が作れるのが醍醐味。
例えば、お店でリーフレタスの苗は100円で4株程で売っていますが、自分でトレイで作ると1袋の種から400苗も作る事も可能。
植え付け本数が少ない家庭菜園では購入した方が良い事も多いですが、コンパニオンプランツなど大量にを植えたい場合には育苗は選択肢になります。
売っていない苗を作れる
育苗の楽しい点は「苗を植えて育てる野菜で売っていない苗」を育てられる事です。
基本的に、ほうれん草など「葉物類」で生育期間が短い種類、大根やニンジンなど「根菜類」は苗を作るのではなく種を直接畑に植えて育てるので育苗はしません。
一方、「果菜類」は直接地面に種まきではなく苗を作って植えるのが基本です。
キュウリやトマトなど「この品種育ててみたいけど近くで苗が売っていない」という場合でも、種だけ手に入れば育苗するとどんな野菜でも苗が作れます。
ネットで種が簡単に手に入る時代なので、身近な場所では手に入らない野菜の種でも育てることができて家庭菜園の幅が広がります。
畑が埋まっていても次の苗が育てられる
夏野菜を育ていて次は秋冬野菜を植えようとする時に「まだ畑に野菜が植えられていて植え付けの為の堆肥・石灰・肥料を施す土づくりが出来ない事」があります。
秋冬野菜の植え付け時期が決まっているから本来は種を蒔かないといけな、でもまだ夏野菜撤去が終わらず間に合わないという状況です。
この場合に育苗すると種を畑に撒いた状態と同じ事になるので育苗している間に畑の土づくりが出来てスムーズに次の野菜作りに移行できるメリットがあります。
収穫時期が長くなれば結果的に収穫量も増えて一石二鳥です。
育苗のデメリット
- 資材を揃えるコスト
- 長期間世話が必要
- 植え付けから逆算が必要
- 病害虫に弱い苗が出来る事も
育苗にはメリットも多いですが、慣れるまではデメリットもあります。
でも、きちんとしたやり方でやればデメリットは簡単に解消できます。
資材を揃えるコスト
1つ目のデメリットはコストです。
1苗をホームセンターで買うより圧倒的に低コストで作れますが、資材を揃えるにはある程度コストがかかります。
しかし、一度揃えれば何年も使える資材も多いです。
土を入れるトレイなどは1枚10円などかなり低価格で、やり方次第で実はそこまで育苗はコストはかかりません。
長期間世話が必要
種を植えてから植え付け出来る苗になるまではかなり長い間世話が必要になります。
例えば、きゅうりは30日程、ナスは40~60日程と育苗には時間がかかります。
長期間毎日水やりをやらないといけないので手間はどうしても増えます。
植え付けから逆算が必要
苗の植え付け予定日から逆算して育苗を始める日を考えないと「苗が出来上がったのに植え付ける畑の土づくりが出来ていない・他の野菜がまだ植わっている」事になります。
そのまま放置しておくとポットやトレイはスペースが狭いので、苗が成長すると根がポット内でそれ以上広げられなくなり根腐れや成長が止まってしまうので永遠に育苗してはいられません。
適切な時期に育苗を初めて、苗ができたら畑に植えるという一連のスケジュール管理が大切です。
病害虫に弱い苗が出来る事も
胚軸(茎)が太く育たない苗は、ヒョロヒョロと徒長(とちょう)したりします。
徒長苗は、病害虫に弱い苗になってしまい植え付けした後に病気になりやすかったり枯れたりするので正しいやり方で育苗するのが大切です。
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育苗成功の4つのポイント
- 植え付けまでのスケジュール管理
- 発芽後に日光をしっかり当てる
- 温度管理
- 水やりは基本朝1回
育苗で病害虫に強いしっかりとした苗を作る4つのポイントを抑えましょう。
植え付けまでのスケジュール管理
デメリットで説明した通り育苗を始めてから植え付けるまでのスケジュールを考えましょう。
苗が出来上がったけど植え付けできない状態だと、長期間育苗することになり結果的に苗がきちんと育たない為野菜がうまく収穫できない事につながります。
発芽後は日光をしっかり当てる
強い苗(徒長していない苗)に育てるためには、発芽した後に日光にしっかりと当てることが大切です。
室内で育苗する時に多いのが、しっかりと日光が当たらず徒長する事です。
温度管理
高温になりすぎると苗が成長しない原因にもなるので「真夏」に育苗する場合は、寒冷紗などをトンネルでかけて直射日光を抑える事も大切です。
また、地面に直接トレーを置くと地温でトレイの温度が上昇してしまう事にもなるので、地面から少し高さのある状態にして育苗する事も成功する秘訣です。
水やりの頻度は基本は朝1回
水やりは朝1回が基本です。朝にしっかりとトレイの底の丸い穴から水がポタポタとたれる位にしっかりと水を与えます。
午後3時以降に土が乾燥している状態が大事で、夕方苗が萎れるのは問題ありません。水分が無くなる事で苗が水を探して根を張るので強い苗に育ちます。
また、雨の日や曇りの日に土が湿っている場合は水やりをやめましょう。逆に、心配して何回も水を与える事で水が過剰でも徒長苗につながります。
育苗する場所
- トンネルを作る(地面に直置き)
- トンネルを作る(少し浮かせる)
- 育苗用の小型温室
- ビニールハウス
- 室内
育苗する場所を紹介します。
大切なのは育苗中に害虫に食べられたりしないように防虫にも気を付ける事です。
トンネル(地面に直置き)
最も簡単なのが、野菜栽培でも使う「トンネル」を作ってその中に育苗のトレイを入れる事です。
防虫ネットを張ってトンネルを作り、その中に直接地面にトレイなどを置けば良いです。春先など寒い時期でもビニールを張れば温度が上昇して適切な温度でも管理できます。
専用の道具を準備する必要無く簡単ですが、地温でトレイの温度があがって苗が枯れやすい等のデメリットがあります。
トンネル(少し浮かせる)
外で育苗したい人に最もおすすめな方法が少し手間をかけて、トンネルの中に育苗スペースを作る事です。
トンネルを作り防虫ネットを張りますがトンネル内に「高さ」を作って地面から少し離して育苗する方法です。
コンクリートブロックを並べて、いぼ竹を横に通せば簡単に育苗トレイを置くスペースが出来ます。
コンクリートブロックの代わりに収穫コンテナを使う事もできますが、トンネルの高さが更に必要になります。収穫コンテナはしっかりとした土台になります。
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必要な材料
- コンクリートブロック(高さ20㎝程)×4個 ※どちらか
- 収穫コンテナ(高さ30㎝程)×3個 ※どちらか
- いぼ竹(太さ16㎜以上)
- トンネル支柱(180以上の長さ)※どちらか
- ダンポール(マル55:1800㎜以上、マル85種類は何でも) ※どちらか
- 被覆材(防虫ネットなど)
- パッカー
コンクリートブロックか収穫コンテナを60㎝間隔くらいで平らになるように
地面を整地して平らになるようにブロックやコンテナを並べます。
ここで傾いたりしていると、水やりの時にトレイの中で水が傾いて流れてしまって均等に水やりが出来ません。
いぼ竹を横に2本通す
育苗箱がのる位の幅に調整しましょう。
2本の支柱の上に育苗箱を乗せる
上に乗せる時に、連結ポットやセルトレイを直接はのせません。単体だと柔らかすぎて苗がしっかり固定できません。
必ず育苗箱に連結ポットやセルトレイをのせて、支柱の上にのせましょう。
支柱を30㎝~40㎝間隔で刺す(トンネルを作る
通常のトンネルを作るときと考え方は同じです。
防虫ネットなどをかけてパッカーとめる
防虫ネットなど被覆材は苗が成長した場合に当たらないように高さを調整しましょう。
防虫ネットの場合はピーンと張るように設置しないと上から水をかけた時にムラが出てしまいます。
毎日の水やりは直接防虫ネットなどの上からでOK
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育苗用の小型温室
家庭菜園でおすすめなのはホームセンターでも売っている小型の温室を使う方法です。
地面に置くだけの組み立て式の小さい簡単な温室が売っています。
育苗以外にも買ってきた苗を保管するのにも使えます。人気の苗は販売してすぐなくなってしまうけど、植え付けの準備が出来ていない時に苗を保管するのに便利。
デメリットは、外側のビニールは弱いので数年で買い替えが必要です。
私も使いましたが、想像以上に軽く風に弱いのでコンクリートブロックなどをのせてしっかり固定しておかないと風で全て飛ばされて苗が全滅します。(経験談)
ビニールハウス
本格的なビニールハウスがある場合は育苗にも使えます。
農家が使うような大型のビニールハウスではなく、温室よりも大きい置くだけの設置が簡単な1坪程度の小さいビニールハウスも売っています。
雨が当たらないので水やりをしっかりする必要がありますが日光はもちろん害虫も入り込まず寒い時期でも温度も上昇する理想的な環境で育苗できます。
室内
室内で育苗する場合、日光がしっかりと当たる場所を選ぶ必要があります。
温度管理・水やりをしっかりと朝1回与える等守る事は同じです。
実際に私もトライしていますが、道具を使わないと難易度が高いと思います。
日光がしっかりと当たらず徒長苗になりやすいので、育苗用ライトや温度パッドを利用すると良いでしょう。
育苗に必要な物
- ポリポット、連結ポット、セルトレイ(プラグトレイ)のどれか
- 育苗箱(育苗トレイ)
- 土(種まき培土と育苗培土)
- シャワーホース・ジョウロ
- タグ(割り箸)
- 園芸シート
- 覆土用の土(バーミキュライトなど)
- 新聞紙
- 育苗用ライト
- 園芸用ヒーターマット
育苗に必要な物は「必ず必要な物」「あると便利な物」があります。
それぞれの資材を紹介します
必ず必要な物
ポリポット
野菜の種類 | 号数 | 直径 |
---|---|---|
きゅうり | 3号 | 9㎝ |
トマト | 4号 | 12㎝ |
ナス | 5号 | 15㎝ |
主に「果菜類を育てる時に使う」のがポリポットという丸い小さいビニールで出来たポットです。
サイズに迷ったら家庭菜園は「直径9㎝」の「3号ポット」できゅうりの苗も問題なく育ちます。
ポリポットは洗えば再度使えますが、病気の土などが付着していると再感染するので100枚で200円程の低価格なので新品を使うのがおすすめ。
ジフィーポットと呼ばれる紙で出来ているポットもあり、苗を抜かないでポットごと植え付けが出来るメリットがありますが少々高いです。
連結ポット
ポリポットよりも穴数(穴の数16~49個)が多く「たくさんの苗を作りたい人」におすすめなのが連結ポットです。
家庭菜園で必要な苗数に合致する事が多いので次に紹介するセルトレイよりもおすすめ。おすすめの容器は16穴、効率よく作りたい人は49穴を選びましょう。
きゅうりやトマトなどの果菜類中心に大きく育てないといけない苗はポリポットを使うので使いませんが、ねぎや白菜など葉物類などに使います。
1枚数十円前後の低価格で購入しやすく、プラスチックなのでハサミで切れますし、最初から切れ目が入っていて種類毎に分けやすい商品もあります。
移植せずにプランター代わりにハーブなどをそのまま栽培する方法もあります。
セルトレイ(プラグトレイ)
連結ポットよりも更に穴数が多い72~512穴と、一度に作れる苗の数がさらに増えます。
セルトレイは硬いプラスチックで農家が機械を使って植え付けするのに使います。家庭菜園でも非常に多い数を植え付けするならおすすめ。
育苗箱(育苗トレイ)
先に紹介した「ポリポット・連結トレイ・セルトレイ」をのせるプラスチックの入れ物を育苗箱(いくびょうばこ)と言います。
底に穴があいているので、のせたまま水やりが出来ます。
連結ポットは2枚、セルトレイは1枚のせられる構造になっており、硬いプラスチックなので縁を持って移動させるのに便利です。
他の板で代用出来ると思うかもしれませんが、排水性にも優れておりこれ以上最適な物は無いので絶対に一緒に買うべきです。ホームセンターで200円前後で売っていて頑丈なので永遠に使えます。
連結ポット等は土を入れてもフニャフニャなので持ち運びが非常にしにくく、苗が揺れたりすると折れたり痛んだりする原因になるので育苗トレイに入れて持ち運びするのが基本です。
培土(種まき培土と育苗培土)
- 種まき培土・・・セルトレイを使う場合におすすめ
- 育苗培土・・・ポリポットを使う場合におすすめ
育苗に使う土は2種類あり、セルトレイや連結ポットを使う場合は粒子が細かい「種まき培土」を使うと良いです。
キュウリやトマト等の苗に使うポリポット(少し大きいポット)を使う場合は木材なども多く入っている「育苗培土」を使っても問題ありません。
畑の土を使う事も出来ますが、畑の土には雑草の種が入っていたり、病害虫がいる場合もあるので苗がリスク高く育つ事になり上手く苗が作れない事も多いです。
トレイの中の雑草を抜いたり、病気になったらまた再度育てれば良いと思う人以外は専用の培土を使うのがおすすめです。
野菜の種
種にも種類があり蒔きやすいコーティング種子などの形の違い、購入する以外にも自家採取という自分で育てた野菜から種をとる方法等様々あります。
シャワーホース・ジョウロ
育苗する時に大切なのが水流の強さです。
トレイに入れた土に「ジャー」と水をかけると、水流で種が流れてしまって発芽が揃わなかったり、均一に水がかからず同じトレイでも育つ所と育たない所が出てきたりします。
ジョウロはノズルを上向きにして水流を弱く注意すれば良いです。
ペットボトルに入れた水などでジャーと水やりをしようと思っている場合は失敗する確率が高くなるので優しい水流ができるアタッチメントを買いましょう。
家庭菜園ではペットボトルに取り付けるだけでシャワーになる便利商品もあります。
あると便利な物
タグ(割り箸)
色々な種類の苗を作ると、どの苗がどの品種かわからなくなります。品種によって育苗期間が違うので同じ日に種を植えても、苗の植え付けまでの日にちが違う事もあります。
トレイにタグや割りばしを挿して。「植え付けた日と品種名」を書いておくことで何日に畑に植えれば良いかわかります。
園芸シート
育苗トレイに土を入れる時に、すり切りで土をトレイ外に落とす必要があります。
この時に便利なのが、角が立って使える園芸用の折り畳みシートがあります。
シートを使えば落とした土は再利用出来るので育苗に使う土が無駄になりません。
また、ベランダなどでプランターに土を入れる時や、ぼかし肥料などを自分で作る時、収穫する時などにも使えて便利です。
覆土用の土(バーミキュライトなど)
基本的にトレイに培土を入れて種を入れるだけで苗は出来ますが更に良い苗を作りたい人向けです。
穴を開けて種を土で埋める事を覆土(ふくど)と言いますが、覆土に使うと育苗が上手にいく土があります。
色々な資材がありますが有名なのがバーミキュライトで、パラパラと最後にかける事で保水効果があるので苗が乾燥するのを防ぎ発芽を促す事ができます。
新聞紙
「濡れた新聞紙を種を蒔いた後にトレイにかぶせる」という事を聞いたことがないでしょうか。
実はこの新聞紙は家庭菜園初心者だと、取り外すタイミングが遅くて中で徒長してしまって失敗する可能性が高いのでおすすめしません。
農家ではタイミングを見計らって新聞紙を取り外す事で光が苦手な種子の場合、光をうまく遮り発芽を促す効果があります。
育苗用ライト
発芽後に日光をしっかり当てて育てる必要がありますが、室内で育苗する際に日当たりがあまり良くない場合に使います。
日光に近い植物育成用の光もあり、室内での育苗を成功を助けるアイテムです。
園芸用ヒーターマット
トレイの下に防水用のヒーターマットを敷いて、電気で温度を一定に保つアイテムがあります。
発芽に必要な温度は野菜の種毎に違いますが、まだ寒い時に育苗する時には温度が足りなくて発芽しないという事があります。
ヒーターマーットは電源があれば野外でも使えるし、防水なので上から水をかけることも出来ます。
育苗の手順
育苗の流れ
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必要な材料
- 培土(種まき培土/育苗用培土)
- 連結ポット・ポリポット
- 野菜の種
- 覆土用の土(バーミキュライトなど) ※培土でも可能
- 優しく水をかけるシャワー
育苗用の土を広げて軽く握ったら固まる位水を「軽く」含ませよーく混ぜておく
袋から開けたばかりの土は乾燥しています。
バーミキュライトという土が含まれていますが、水を最初に含ませておかないとその後に水を吸収しない特徴があります。
手で軽く握ってぎゅっとなる位にかるーくジョウロで全体的に水を入れて湿らせましょう。
土は園芸シートなどに広げてあげるとやりやすいです。
トレイの上に土をのせる
育苗トレイの上に、連結ポットなどをのせて土を真ん中に入れます。
その後、全体に土を広げて全ての穴に淵が見えなくなる位の量の土を入れます。
ギュッギュっと詰める必要はなく、自然に土が入る感じでよいです。
板などを使ってもよいので仕切りの間が見えるように土をすりきる
手を使ってもよいですし、板を使ってもよいので土をすりきります。
穴と穴の間の溝が見えるようにします。
各穴のど真ん中に指先第一関節までの穴(1㎝ほど)をあける
指の第一関節くらいが丁度よい深さです。
レタスの種など種の種類によっては、深く植え付けすぎると芽が出ない事があるので、種類によっては半分くらいの深さにします。
1粒ずつ種を入れる
空けた穴に1粒ずつ種を落とします。
穴が埋まるように全体的に土をかける(覆土)
穴を埋めるように土を入れます。ぎゅっとやる必要はなく穴が埋まるように土を振りかけるだけ。
普通の培土でもよいですが、バーミキュライトなど覆土におすすめの土を使うと良いです。
水を柔らかーく全体にかける
水を全体に高い位置からやわらか~くかけます。
ジョウロを使う場合は、先のシャワーを上向き(下向きだと水流が強い)にして左右に小刻みに振って水を与えます。
一ヶ所に水がかかると種が流れてしまって真ん中で発芽しない事につながります。
細かいミストが出るホースのノズルにしましょう。
5秒待ってまた柔らかーく水をかける
しっかりと水を与えても、土が吸収した水はトレイの一番底まで浸透していない事があります。
これを防ぐために、5秒置いて土がしっかり吸収した後に再度柔らかく水をかけてあげましょう。
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苗を取り出す時はしっかりと水を含ませる
育苗した苗を植え付けのために取り出す時に「連結ポット・セルトレイ」から抜く場合に土がポロポロして苗が崩れてしまう事があります。
これを防ぐために抜くために水で湿らせてから、ピンセットをトレイの土に挿して抜いてあげると上手に取れます。
「苗を買う事」と「育苗」の違い
家庭菜園は育苗より割高でもお店で苗を買う方がメリットがある事が多いです。
1株や2株しか植えない場合は苗を資材をそろえるコストも手間も考えると買った方が良いです。
育苗するかの判断は「1株でどれくらいの野菜が収穫できるかを知り自分で何本の苗が必要か」を考える事が大切です。
例えば、きゅうりは1株で20本以上収穫、ミニトマトも1株で100個近く、シソも1株で100枚以上収穫出来ます。まずは野菜を上手に育てる方法をしっかり知る事が家庭菜園ではおすすめ。
一方で、コンパニオンプランツで有名なマリーゴールドを20箇所に植えたい場合などは1株ずつ買うより圧倒的にコストが安いので「植える数がどれくらいか」で判断します。
「直接種を植える事」と「育苗」の違い
- 発芽が揃い植え付けが揃うので成長が同じ
- 種の節約になる
- 植え付けが早い分収穫の時期が長くなる
「育苗しないで直接畑に植えれば一緒じゃない?」と思いますよね。
種を直接畑に植えた(直播)場合に、こっちは発芽してこっちは発芽しないという事があります。育苗して苗を育てれば同じサイズの苗で揃えられるので成長が揃います。
また、枝豆の育て方などで一般的なのが発芽しない場合に備える意味も含み1ヶ所に3~4粒を植えて発芽した苗を2苗に剪定する方法があります。育苗すれば1粒ずつ育てるので種が無駄になりません。
一番のメリットは苗が販売されていない時期でも、育苗して苗の完成時期をコントロールすれば早い時期から植え付けができます。
早く植え付けできると結果的に収穫時期が長くなり収穫量が増える事です。
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育苗がおすすめな野菜と育苗出来ない野菜
直根性(ちょっこんせい)の野菜の苗は根がまっすぐ下に伸びます。野菜は根が傷つくと上手く成長しないので直根性の野菜は移植を嫌い基本的に畑に直播き(じかまき)します。
直根性の野菜を育苗したい場合は、ジフィーポットという紙やピートモスで出来ている「そのままポットごと直接植え付けが出来るポット」を利用します。
家庭菜園ではトイレットペーパーの芯をポット代わりにして植えるという方法もあるようです。
また、栽培期間が短いほうれん草などはすぐに収穫できるので育苗するメリットが無いので畑に直接植えます。
育苗でよくある質問
育苗で初心者が疑問に思う内容を質問形式でまとめています。
育苗の質問一覧
質問クリックすると該当箇所にジャンプ!
育苗で苗が徒長してしまうのですがなぜですか?
- 育苗で苗が徒長してしまうのですがなぜですか?
-
苗が徒長する原因はいくつかあります。水をやりすぎていて水分量が過剰な場合になるので、基本は朝1回水やりをして夕方には乾くようにします。
雨天や曇の日は水やりを控え、夜間には土が湿っていない状況にします。芽が出た後に日光が不足するのも原因になるので日当たりが良い場所で育てます。
育苗で種を植えても芽が出ません。なぜですか?
- 育苗で種を植えても芽が出ません。なぜですか?
-
野菜の種ごとに発芽温度があります。発芽温度に満たない場合や暑すぎる場合、発芽しません。
寒い場合はヒーターマットを使う、真夏など暑い場合は寒冷紗をトンネルで掛けるなど温度調整をしましょう。
育苗している時に苗が虫に食べられてしまいます。どうすればよいですか?
- 育苗している時に苗が虫に食べられてしまいます。どうすればよいですか?
-
育苗している苗をそのまま野外に出しておくと害虫が卵を産んだり、食べられます。トンネルを作って防虫ネットを張った中で育苗すれば水やりもそのまま出来て便利です。
ビニールハウスや育苗用のミニ温室を使うなどの方法もあります。
卵パックで育苗できますか?
- 卵パックで育苗できますか?
-
卵パックはプラスチックと紙タイプがありますがどちらでも可能です。紙タイプはジフィーポットと同じで一つずつ切れば土の中で紙が溶けるのでそのまま植え付けが出来ます。
どちらもやり方は同じで、底にキリで5ヶ所排水用の穴を開けます。あとはセルトレイなどと同じように栽培します。
まとめ
- 家庭菜園では連結ポットがおすすめ
- 徒長の原因は日光不足と水分過剰が多い
- 水やりは朝1回だけが基本
家庭菜園で出来る育苗の方法を紹介しました。
育苗で色々な種類が育てられるなどメリットがありますが、まずは少ない株数でも多収穫できるようになるのがおすすめ。
土づくりや野菜の栽培方法も参考にしてください。