
マルチングという家庭菜園でも一般的に行われる畑の畝(うね)をビニールなどで覆う作業。
黒いごみ袋のようなビニールが家庭菜園している畑を覆っているのを見たことがある人も多いはず。
マルチング(マルチ)には意味があるのを知っていますか?
マルチのメリット、デメリットと一緒におすすめのマルチシートなど資材を紹介します。

マルチはなぜ行うのか?
マルチの代表的な効果はこんなのがあります。
- 野菜を植えている根元の土が乾かない
- 雑草が生えない為、管理が楽
- 土の温度を上げる事で苗を本来の時期より早く植えられる
家庭菜園初心者の方は、マルチはビニールシートを張らないといけないと思いがちですがそんなことはありません。
マルチは黒いシートが一般的ですがフィルムじゃなくても良いんです。
稲わらや木材チップなどを敷き詰める、腐葉土、米ぬか、はたまたシュレッダーした紙で覆っているなどもあるほどです。
ただし、初心者はマルチシートを使いましょう。
マルチはどのタイミングで張るのか?
注意しないといけないのは、土づくりから収穫までの間のどこでマルチを張るかです!
畑に苗や種を植える準備として「堆肥・石灰・元肥(もとごえ)」をまきますよね。
この準備が終わってからマルチを張りましょう!
初心者は先にマルチを張りがちです。笑
この作業をする前にマルチを張ってしまうと、もう一度マルチを剥がすことになるので初めてマルチを張る人は注意しましょう。

家庭菜園のマルチの方法とやり方を紹介!
マルチの具体的な張り方はこちらの記事で紹介していますのでチェックしてみてください。
マルチのメリットは水やり不要、雑草防止!
マルチは様々なメリットがあります。
- 土の乾燥を防ぐ
- 地温をあげる
- 雑草が生えてこない
- 病害虫を防ぐ
- 土の流出を防ぐ
マルチをする事で土の乾燥をふせぎ、畝から水の蒸発を防ぎ、降雨以外に水やりがいらない状態(作物によっては必要)になります。
地温をあげる事で、作物の成長促進にもなります。
マルチの種類によっては太陽光を通さないので、雑草が生えてきません(完全に生えないわけではないが雑草抜きは必要なし)
野菜の葉に泥が跳ね返り汚れる事で作物が病気になるケースもあります。マルチする事で、泥はねを防ぎ病気の予防にも。
畝(うね)の土や肥料が、雨が降ることで流れてしまう事もあります。畝にマルチをすれば土や肥料が流れません。
メリットがいっぱいなので可能であればマルチはおすすめです。

寒冷地でもマルチの地温上昇で野菜を早く育てられる!
マルチで注目すべきメリットは、地温の上昇です。
北海道など寒冷地と呼ばれる場所では、種や苗の育つ季節(温度)が限られているので、地温や気温が低く雪の降らない場所より野菜の生育期間が短いのが一般的です。
これによってうまく野菜が育たなかったり、収穫期間が短くなったりします。
これを解決するのがマルチです。
すべての野菜を育てられるわけではありませんが、マルチをすることで地温が上昇し、通常の植え付けより半月程早く植えられます。
早く植えれば長く栽培できるので収穫量がUPします。
家庭菜園ではビニールハウスはなかなか購入できないと思うので、寒い地域に住んでいる方はマルチを検討するのはありですよ。
マルチのデメリットは追肥と価格!
マルチはデメリットもあります。おおきく3つが考えられます。
- コストがかかる
- 撤去に手間がかかる
- 追肥をやりにくい
ビニールマルチは購入に費用が掛かるので、コストはどうしてもかかります。
家庭菜園でよく見る黒いビニールマルチは最終的には撤去してごみになります。
一部を土に埋めるので、きれいに撤去するのも意外と大変だったりします。
素材が溶けて土に戻る有機ビニールマルチや稲わら等もありますがコストが高いです。
野菜を育てていくうちに追肥(追加の肥料)が必要な場合は、マルチをめくって肥料をあげる手間も。
これだけ聞くと、めんどくさいなと思うかもしれませんが色々クリアできる方法はあります。
まず、コストですがこちらのマルチは2,600円で200mあります。

つまり、1m当たり13円とすると、うちの畑の畝は1本3mなので畝1本あたり40円程です。
一つの畝から収穫できる野菜の量を考えたら、金額は大きい問題では無いですね。
また、撤去は端から丁寧に剥がせば意外ときれいに剥がせて気持ちいいんですよ。
追肥については、畝の肩(かた)に追肥する野菜があるのでいちいちめくらないといけないと思いますが、家庭菜園ではマルチを再利用する事はあまりないと思うので思い切って畝肩に追肥用の穴をあけてしまう作戦で回避できます。
マルチに穴こそ開きますが、雑草が生えてくる位でちょっと雑草を抜けば問題ありませんよ。
- コストがかかる→畝1本あたり40円程
- 撤去に手間がかかる→意外ときれいに外せる
- 追肥をやりにくい→穴をあければ大丈夫

マルチングの種類・効果・価格の違い!
マルチは黒いシートが一般的ですが、農家などで使うシートはもっと種類があります。
家庭菜園では黒いフィルムで十分なので色で迷う事は少ないと思いますが、フィルム幅は要注意!
購入してきたマルチが考えていた畝幅と合わない!となってしまうケースが最悪です。
種類 | 特徴 |
透明マルチ | 地温が上がる効果が最も高い。透明なので光を通し雑草は育つ。 |
黒マルチ | 透明よりは劣るが地温が上がる。雑草は育ちにくい。フィルムが熱を持つので葉物など葉焼けに注意。 |
グリーンマルチ | 黒マルチよりは地温が上がる。雑草も多少育ちにくい。 |
シルバーマルチ | 光を抑えるので地温が上がる効果は無い。反射の光を嫌うアブラムシが飛来しにくいので病気も防げる。 |
畝(うね)の幅 | フィルム幅 |
60cm | 95cm |
90cm | 135cm |
120cm | 180m |
160cm | 210cm |


マルチング材で藁はおすすめ!
敷き藁マルチは地温上昇効果はないですが、ビニールと効果は同じです。
メリットは下記の通り。
- 撤去するときに畑にすきこんで終われるので非常に撤去が簡単
- 有機素材で微生物の住処にもなり病害虫の被害から守りつつ、土を豊かにする
- 温度や湿度が一定に保たれる
ただ、一般の家庭では米を育てている方や農家の知り合いがいるケースなどではない限りなかなか手に入らない。
コスト面を考える必要はありですが売っていますので、一度試してみてはいかがでしょうか。


雑草対策のマルチングに雑草を使う方法も!
刈り取った雑草をマルチとして使ってしまうという方法もあります。
刈り取った雑草をマルチシートの代わりにして、土を覆う方法です。
注意点は、根を持ってこないで鎌で刈り取った草の部分を使うこと。
根と草を一緒にマルチとして使うと、またそこから根が張って雑草が生えてくる悪循環になります。
マルチ押さえがすごく便利!
マルチを張るときに風であおられてうまく張れない事があります。
2人で張れば問題ないですが、家庭菜園では一人でやっている人も多いですよね。
一人でマルチをうまく張れる為に登場するのがマルチ押さえです。
マルチのすそに差すことで簡単にピンとマルチを張れますよ。


マルチ栽培で穴をあけるならこれがおすすめ!
穴が開いていないマルチシートは、穴をあけないと種や苗を植えられません。
マルチに穴をあける方法は、ハサミやカッター、アルミ缶で自作などなど色々あります。
毎年家庭菜園でマルチをやるなら、高いものでは無いのでマルチ専用の穴あけ機を買うことをおすすめします。


家庭菜園におすすめのマルチング材は黒ビニールマルチ!
マルチ資材の紹介いかがでしたでしょうか。
家庭菜園初心者の方は、マルチを張ることまで最初は考えないかもしれませんがメリットも多く、簡単なのでぜひ挑戦してほしい。
「野菜育てたいけど、雑草抜くのが大変で時間と手間を考えると・・・」っていう人も多いはず。
うちでも畝に黒マルチをしていますが、雑草抜く事ってほとんどありません。
めんどくさがり屋にもマルチは本当におすすめです。
家庭菜園初心者の注意点は2つだけ。
- 穴の開いていないマルチを選ぶ
- 自分の畝の幅にあったサイズを買う
家庭菜園で畝幅考えると多いのは下記2つのパターンです。
畝の幅が60cmの方は、95cmのマルチ。

畝の幅が90cmの方は、135cmのマルチ。
